物流倉庫とは?費用の内訳と保管料の計算方法、委託を検討するタイミングを解説

商品が売れるようになると、次に立ちはだかるのが在庫の置き場所と発送作業です。
自宅の一室が段ボールで埋まり、注文が入るたびに手が止まる。
この状態が続けば、商品を探す時間も改善する時間も失われていきます。
そこで検討されるのが、保管と発送を外部に任せるという選択肢です。
ただし、費用の仕組みを理解しないまま契約すると、想定より高くつくことがあります。
この記事では、物流倉庫が担う役割から費用の内訳、委託を検討する判断基準までを順に整理します。
| 確認したいポイント | 結論 | 詳細 |
|---|---|---|
| 物流倉庫とは? | 保管から出荷までを担う拠点 | 商品の入荷、保管、検品、梱包、出荷、返品対応までを一貫して行う施設を指します。 |
| 費用はどう決まる? | 保管料と作業料に分かれる | 保管料は坪やパレット単位、作業料は入出庫や梱包など件数に応じて発生します。 |
| 保管料の計算方法は? | 三期制が使われることが多い | 1か月を3期に分け、期ごとの在庫と入庫数から算出します。荷動きが多いと割高です。 |
| 委託の判断基準は? | 作業時間が判断に食い込むか | 発送作業に追われて商品選定や改善に時間を割けなくなった段階が、検討の目安になります。 |
この記事でわかること
- 物流倉庫が担っている6つの機能と、単なる保管場所との違い
- 自社保管・販売先の倉庫・物流倉庫という3つの選択肢の使い分け
- 保管料と作業料の内訳、三期制という計算方法の仕組み
- 委託を検討するタイミングと、判断に使う3つの数字
- 業者を選ぶときの基準と、契約前に確認しておくこと
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物流倉庫とは?保管だけではない役割
物流倉庫とは、商品の入荷から保管、検品、梱包、出荷、返品対応までを一貫して担う拠点のことです。
単に荷物を置いておく場所というイメージを持たれがちですが、実際の役割はもっと広くなっています。
担っている6つの機能
一般的な物流倉庫では、次のような作業が行われています。
- 入荷と検品:届いた商品の数量と状態を確認する
- 保管:適した環境で在庫を管理する
- ピッキング:注文に応じて商品を取り出す
- 流通加工:値札付け、セット組み、ラベル貼りなど
- 梱包と出荷:発送作業と伝票の処理
- 返品対応:戻ってきた商品の確認と再入庫
このうち流通加工まで対応できるかどうかは、業者によって差があります。
複数の商品をまとめてセットにする、専用の同梱物を入れるといった作業を求める場合は、事前に確認が必要です。
営業倉庫は登録が必要
他人から預かった物品を保管する事業は、倉庫業法という法律の対象になります。
この事業を営むには、国土交通省の登録を受けなければなりません。
登録には、保管する物品に応じた施設の基準を満たすことや、倉庫管理主任者を選任することが求められます。
出典:国土交通省「倉庫業法」のページ
登録を受けた倉庫であれば、預けた商品に対する責任の所在も明確になります。
無登録での営業には罰則が定められており、それだけ厳格に運用されている制度です。
契約前に、登録を受けている事業者かどうかを確認しておいてください。
倉庫の種類は保管物で分かれる
営業倉庫は、保管できる物品によっていくつかの種類に分けられています。
建物の中で幅広い物品を扱える倉庫のほか、冷蔵、危険品、野積みなど専用のものがあります。
扱う商品によっては、対応できる倉庫が限られる場合があります。
食品、化粧品、電池を含む商品などは、事前に取り扱いの可否を確認してください。
個人の荷物を預かるトランクルームも、倉庫業法の対象に含まれます。
一定の基準を満たしたものは、国土交通省から認定を受けている場合があります。
在庫を置く3つの選択肢
ネットで商品を売る場合、在庫の置き場所には選択肢があります。
それぞれ費用の構造も向き不向きも異なります。
1.自宅や自社で保管する
始めたばかりの段階では、この形が基本になります。
外部に支払う費用が発生しないため、扱う数が少ないうちは最も安く済みます。
商品の状態を自分の目で確認できる点も利点です。
一方で、注文が入るたびに梱包と発送の作業が発生します。
在庫が増えれば生活空間を圧迫し、外出中は発送できないという制約も残ります。
自宅の住所を発送元として使うことになる点も、把握しておきたい要素です。
2.販売先の倉庫に預ける
販売するモールが提供している配送代行の仕組みを使う形です。
注文から発送までが自動で処理され、購入者への配送も早くなります。
検索結果での見え方に有利に働く場合もあります。
ただし、そのモールでの販売が前提になります。
サイズや商品の種類によっては預けられない場合もあり、手数料の体系も決まっています。
仕組みと費用は、以下の記事で整理しています。
関連記事:AmazonせどりFBAのメリット・デメリットを徹底解説!使用方法も合わせてご紹介します!
3.物流倉庫に委託する
物流を専門に扱う事業者に、保管と発送をまとめて任せる形です。
複数の販売先を1か所の在庫でまかなえる点が、最も大きな違いになります。
自社サイトとモールの両方で売っている場合、在庫を分けずに済みます。
セット組みや同梱物の封入といった、細かい作業に対応してもらえる場合もあります。
その代わり、契約の手続きや初期の設定に手間がかかります。
モールの倉庫では受け付けられない大型の商品や、特殊な条件がつく商品にも対応できます。
販売先が1つに限られない点が、選択肢としての強みになります。
併用という選択肢もある
どれか1つに決める必要はありません。
回転の早い商品はモールの倉庫へ、大型や特殊な商品は物流倉庫へという分け方もできます。
商品ごとに費用を計算し、有利なほうを選んでください。
在庫が2か所に分かれると管理は複雑になるため、その手間も含めて判断します。
\ そもそも在庫を持つ設計になっていますか /
どれだけ物流を整えても、売れない商品を抱えていれば費用だけが増えます。
公式LINEでは、需要のある市場の見極め方と、避けるべきジャンルの特徴をお伝えしています。
費用の内訳と保管料の計算方法
ここが最も理解しておくべき部分です。
費用の仕組みを知らないまま契約すると、想定と請求額が食い違います。
費用は大きく3つに分かれる
物流倉庫に支払う費用は、次のように整理できます。
- 固定費:システム利用料、業務管理料など毎月かかるもの
- 保管料:預けている量と期間に応じて発生するもの
- 作業料:入出庫、ピッキング、梱包など件数に応じて発生するもの
このほかに、実際の配送料が別途かかります。
見積もりを比べるときは、この4つをすべて含めた総額で判断してください。
保管料だけが安く見えても、作業料が高ければ総額は変わりません。
自分の月間の出荷件数を伝えたうえで、総額の見積もりを出してもらうのが確実です。
1件あたりいくらになるかまで割り戻して、初めて比較ができます。
その金額を商品の利益から引いて、残る額を確認してください。
保管料の単位はいくつかある
保管料の計算には、いくつかの単位が使われます。
坪単位、パレット単位、個数単位、容積単位、重量単位などです。
扱う商品の形や量によって、どの単位が有利かは変わります。
小型の商品を少量扱うのであれば個数単位、量が多ければ坪やパレット単位が使われます。
軽くてかさばる商品の場合、容積で計算されると割高になることがあります。
どの単位で計算されるかは、見積もりの段階で必ず確認してください。
三期制という計算方法
物流業界でよく使われるのが、三期制と呼ばれる計算方法です。
1か月を3つの期間に分け、それぞれの期で保管料を計算して合算する仕組みになっています。
各期の保管数は、前の期の残った在庫に、その期に入庫した数を足して求めます。
ここで注意したいのは、期の途中で出荷された分の扱いです。
その期に入庫した数は、すぐ出荷されても保管数に含めて計算されます。
そのため、荷動きが活発な商品ほど、実際の在庫量より高い計算になりがちです。
回転の早い商品を大量に扱う場合は、使用する坪数を固定する契約のほうが安くなることもあります。
見積もりの段階で、どの計算方法かを必ず確認してください。
三期制の計算例
数字で見たほうが分かりやすいので、簡単な例で確認します。
1期の保管数が50個、2期が40個、3期が55個だったとします。
単価が1個150円であれば、それぞれの期の金額を合計して月額が決まります。
この例では、7,500円、6,000円、8,250円で合計21,750円という計算です。
同じ月に平均45個しか置いていなくても、入庫のタイミング次第で金額は変わります。
まとめて入庫して少しずつ出す形と、こまめに入庫する形では結果が異なります。
納品の頻度も、費用に影響する要素だと考えてください。
実際の単価と期の区切り方は契約によって異なるため、必ず個別に確認してください。
委託を検討するタイミング
いつ外部に任せるべきかは、多くの方が迷う部分です。
金額よりも、時間の使われ方で判断するのが現実的です。
判断に使う3つの数字
次の3つを書き出してみてください。
- 月の出荷件数
- 梱包と発送にかけている月の合計時間
- 1件あたりにかかっている時間
この作業時間が、商品選定や改善に使うべき時間を食い始めた段階が目安になります。
月に50時間を発送作業に使っているなら、その時間で何ができたかを考えてみてください。
商品を10件リサーチする時間にも、ページを改善する時間にも使えたはずです。
費用を払っても、空いた時間で売上を伸ばせれば回収できます。
逆に、時間ができても何をするか決まっていないなら、まだ早い可能性があります。
空いた時間の使い道を先に決めておくと、判断に迷いません。
自宅で対応しきれなくなる場面
時間以外にも、判断のきっかけになる場面があります。
在庫が生活空間を圧迫している、旅行や体調不良で発送が止まるといった状態です。
発送の遅れは評価に直結するため、この段階では対策が必要になります。
仕入れのロットが大きくなったときも、置き場所の問題が出てきます。
まとまった数量を発注する仕入れの実情は、以下の記事で整理しています。
関連記事:メーカー仕入れはなぜ儲からないと言われる?メーカー仕入れの特徴と利益を上げる方法を詳しく解説!
まだ早い場合
反対に、次のような状態であれば急ぐ必要はありません。
月の出荷件数が数十件、扱う商品も少数という段階です。
この規模では、固定費のほうが負担として大きくなります。
毎月のシステム利用料と業務管理料だけで、利益が消えることもあります。
まずは自分で発送しながら、商品の売れ方を把握する時期と考えてください。
作業の流れを自分で経験しておくと、後で任せるときの指示も的確になります。
どの工程に時間がかかるかを知らないまま任せると、依頼の内容が曖昧になります。
\ 1個あたりのコストを把握できていますか /
保管料と作業料を引いた後に、いくら残るかが分からなければ判断できません。
公式LINEでは、実際に販売している現場で使われている数字の見方を紹介しています。
業者を選ぶときの5つの基準
事業者は数多くあり、対応できる範囲もそれぞれ違います。
先に基準を決めておくと、比較にかける時間を短縮できます。
1.自分の規模に対応しているか
大口の荷主を前提としている事業者では、小規模の依頼を受け付けていない場合があります。
最低の契約金額や、月間の最低出荷件数が設けられていることもあります。
問い合わせの段階で、自分の出荷件数を伝えて対応可能かを確認してください。
小規模のEC事業者を専門に扱う事業者も存在します。
月に数百件からという規模であれば、選択肢は十分にあります。
2.扱う商品に対応できるか
商品によっては、保管に条件がつく場合があります。
温度管理が必要なもの、消費期限があるもの、電池を含むものなどが該当します。
対応の可否は事業者によって異なるため、商品の情報を具体的に伝えて確認しましょう。
将来的に扱う予定のジャンルがあれば、その時点で伝えておくと後が楽になります。
3.必要な作業に対応できるか
単純な保管と発送だけでなく、細かい作業が必要な場合があります。
セット組み、ラベル貼り、同梱物の封入、ギフト包装などです。
こうした作業に対応できるかどうかは、事業者ごとに差があります。
モールの倉庫へ送るための納品作業を代行してもらえる場合もあります。
自分が何を任せたいのかを整理してから問い合わせてください。
4.在庫の確認方法
預けた在庫の状況を、どのように確認できるかは重要です。
画面上でいつでも数量を確認できる仕組みがあるかを見てください。
メールや電話でのやりとりが必要な形だと、確認のたびに手間がかかります。
販売しているサイトと在庫の情報を連携できるかも、あわせて確認しましょう。
連携できれば、在庫切れのまま出品を続ける事故を防げます。
5.立地と出荷の締切時間
倉庫の場所によって、配送にかかる日数と料金が変わります。
購入者が多い地域に近いほど、配送の日数も費用も抑えられます。
当日出荷の締切が何時までかも、確認しておきたい点です。
締切が早いと、その日の注文が翌日以降の出荷になります。
土日や祝日に出荷してもらえるかどうかも、確認しておきたい点です。
契約前に確認しておくこと
見積もりを取る段階で、確認しておくべき項目があります。
後から追加費用が判明する事態を避けるためです。
見積もりの前提を伝える
正確な見積もりを得るには、こちらの情報を具体的に伝える必要があります。
- 扱う商品の種類とサイズ、重量
- 月間の出荷件数と、季節による変動
- 在庫として預ける量
- 必要な作業の内容
曖昧なまま見積もりを取っても、後から金額が変わります。
繁忙期がある商品の場合は、その時期の件数も伝えてください。
複数の事業者から見積もりを取り、同じ条件で比べるのが基本です。
初期費用と最低契約期間
契約時に、初期費用が発生する場合があります。
システムの設定費用や、初回の入庫にかかる費用などです。
最低契約期間が定められていることもあり、途中解約に条件がつく場合があります。
合わなかったときに切り替えられるかどうかは、契約前に確認しておきましょう。
トラブル時の対応
商品の破損や紛失、誤発送が起きた場合の扱いを確認してください。
保険の有無と、補償の範囲が主な確認事項になります。
登録を受けた営業倉庫であれば、保管に関する責任の所在も明確になります。
誤発送があった場合の再送費用を、どちらが負担するかも決めておきましょう。
購入者への謝罪や返金の対応は、こちらが行うことになります。
評価に影響するのは自分のアカウントであるという点は、忘れないでください。
\ 外注の判断に迷っている方へ /
任せるべき作業と、自分が持ち続けるべき判断は分けて考える必要があります。
公式LINEでは、作業を減らしながら規模を広げる進め方をお伝えしています。
委託でよくある4つの失敗
任せたのに負担が減らない、費用が想定を超えたという声には共通点があります。
先に知っておけば、多くは避けられます。
1.総額で比較していない
保管料の安さだけで選んでしまうケースです。
固定費、保管料、作業料、配送料を合計して比べなければ意味がありません。
自分の出荷件数を当てはめた総額で、必ず比較してください。
2.在庫の回転を考えていない
三期制では、荷動きが多いほど計算上の保管数が増えます。
回転の早い商品を扱っているのに、その仕組みを知らずに契約すると割高になります。
反対に、長期間動かない在庫を置き続ければ、保管料だけが積み上がります。
売れない在庫は、費用を生み続けているという認識を持ってください。
長期間動かない在庫に、追加の費用が設定されている場合もあります。
3.指示が曖昧なまま任せる
任せれば勝手にうまくいく、という前提で進めるケースです。
梱包の仕方、同梱物の入れ方、検品の基準は、こちらが決めて伝える必要があります。
曖昧なまま任せれば、想定と違う形で発送されます。
最初のうちは、自分宛てに1件発送してもらって確認する方法も有効です。
購入者が受け取る状態を、自分の目で確かめておくべきです。
4.早すぎる段階で契約する
出荷件数が少ないうちに契約すると、固定費が利益を圧迫します。
月に数十件の段階では、自分で発送したほうが安く済むのが通常です。
規模が見えてから判断しても遅くはありません。
焦って契約するより、自分で回せる範囲を見極めるほうが確実です。
在庫を持つ事業として考える
物流をどうするかは、事業の設計そのものに関わります。
倉庫を選ぶ前に、そもそも何をどれだけ持つのかが問われます。
在庫は費用を生み続ける
在庫は帳簿上は資産ですが、売れなければ現金にはなりません。
保管料がかかり続けるため、置いているだけで損失が広がっていきます。
在庫の回転日数は、月ごとに記録して確認してください。
回転が落ちてきたら、価格や広告より先に商品選定を見直す必要があります。
動かない在庫は、早めに処分して現金に戻す判断も必要になります。
任せる作業と持つ判断を分ける
外注できるのは、手順が決まっている作業です。
何を仕入れるか、いくらで売るか、どう改良するかという判断は自分が持ち続けます。
この線引きができていないと、任せた後に何をすべきかが分からなくなります。
空いた時間をリサーチや商品改良に回せて初めて、委託の効果が出ます。
費用を払っただけで終われば、利益率が下がるだけの結果になります。
積み上がる形を作る
毎月ゼロから商品を探す形では、物流を整えても作業量は減りません。
繰り返し売れる商品を持てば、同じ仕組みで扱い続けられます。
在庫の予測も立てやすくなり、保管の計画も組みやすくなります。
商品が固定されていれば、梱包の手順も一度決めれば使い回せます。
続く仕組みをどう作るかは、以下の記事で解説しています。
関連記事:Amazon OEMで資産形成をめざす!初心者向けに“続く仕組み”を作る方法を解説
まとめ
物流倉庫は、入荷から保管、検品、梱包、出荷、返品対応までを担う拠点です。
他人の物品を預かる事業には倉庫業法上の登録が必要で、登録の有無は契約前に確認できます。
費用は固定費、保管料、作業料に分かれ、これに配送料が加わります。
保管料は三期制で計算されることが多く、荷動きが活発なほど割高になる仕組みです。
見積もりは、自分の出荷件数を当てはめた総額で比較してください。
委託を判断する目安は、発送作業が商品選定や改善の時間を食い始めた段階です。
月に数十件の規模であれば、まだ自分で発送したほうが安く済みます。
まずは月の出荷件数と作業時間を書き出し、その時間で何ができるかを考えてみてください。
\ 今日から自分の数字を出してみましょう /
読んだだけで終わらせず、まずは月の発送件数と作業時間を書き出してみてください。
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