商標登録の検索方法5ステップ|J-PlatPatの使い方と類似群コードの調べ方を解説

自分のブランド名を決めたとき、その名前が使えるかどうかを確かめる必要があります。

すでに他社が同じような名前を登録していれば、後から使えなくなる可能性があるためです。

この確認は、特許庁の情報をもとにしたデータベースを使えば無料でできます。

ただし、名前を入力して何も出てこなければ大丈夫、という単純な話ではありません。

読み方が近い商標や、同じ分野での登録も確認する必要があります。

この記事では、検索の準備から具体的な手順、結果の読み方までを順に整理します。

確認したいポイント結論詳細
商標検索はどこでする?J-PlatPatで無料でできる特許庁の情報をもとにした公的なデータベースで、登録も費用も不要で誰でも使えます。
名前だけ調べればよい?商品の分野もあわせて見る同じ名前でも扱う商品が違えば登録できる場合があります。区分と類似群コードで絞ります。
何を検索すべき?文字ではなく読み方で調べる表記が違っても読み方が近ければ類似と判断されます。称呼での検索が中心になります。
検索で結論は出せる?最終判断は専門家に相談見つからなくても登録できるとは限りません。出願前に弁理士へ相談するのが確実です。

この記事でわかること

  • 商標検索を出願前に行う理由と、怠った場合に起こること
  • J-PlatPatとは何か、無料で使える範囲
  • 検索を始める前に決めておく区分と類似群コードの調べ方
  • 称呼検索を使った具体的な5ステップの手順
  • 検索結果の読み方と、自己判断で進めてはいけない理由

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目次

商標検索を出願前に行う理由

商標検索とは、すでに登録されている商標や出願中の商標を調べる作業のことです。

先行商標調査とも呼ばれます。

まずは、なぜこの作業が必要なのかを整理しておきましょう。

調べずに進めると起こること

先に登録されている商標と似た名前で出願すれば、審査で拒絶されます。

出願にかかった費用は戻らないため、そのまま損失になります

審査の結果が出るまでには数か月から1年ほどかかるため、時間の損失も大きくなります。

さらに深刻なのは、登録せずに販売を始めていた場合です。

他社の商標を侵害していれば、販売の停止や損害賠償を求められる可能性があります。

販売先の規約に違反するとして、出品が取り下げられることもあります。

在庫を抱えたまま売れなくなれば、仕入れ費用がそのまま損失になります

実績を積んだ後に変えるのは難しい

ブランド名を後から変更するのは、想像以上に負担の大きい作業です。

それまでに集めたレビューも、検索での実績も、名前を変えれば引き継げません

パッケージや商品ページの作り直しにも費用がかかります。

だからこそ、名前を決めた段階で確認しておく必要があります。

商品を作り始める前であれば、名前を変える負担はほとんどありません。

パッケージの発注前、ロゴの制作前が、確認すべき最後の区切りになります。

検索は無料でできる

この確認には費用がかかりません。

特許庁の情報をもとにしたデータベースが、誰でも無料で使える形で公開されています

登録も申し込みも不要で、その場で調べられます。

費用がかからない以上、確認しない理由はありません。

候補の名前が思い浮かんだ時点で、その場で調べる習慣をつけてください

調べるだけなら数分で終わります。

その数分が、後の大きな手戻りを防ぐことになります。

J-PlatPatとは

商標検索で使うのが、J-PlatPatというデータベースです。

独立行政法人工業所有権情報・研修館が運営している公的なサービスです。

扱われている情報

商標だけでなく、特許、実用新案、意匠の情報も検索できます。

すでに登録された商標に加えて、出願中で審査を待っている商標も確認できます

後者を見落とすと、後から登録された商標と衝突する可能性があります。

出典:特許情報プラットフォーム(J-PlatPat)

無料で使える範囲

商標の検索と、その内容の確認は無料で行えます。

会員登録も不要で、パソコンとインターネット環境があれば使えます。

民間の有料サービスもありますが、まず試すのであればこちらで十分です。

画面の構成や機能は更新されることがあります。

実際の操作は、その時点の画面表示に従って進めてください。

検索できることとできないこと

調べられるのは、登録済みまたは出願中の商標の情報です。

自分の商標が登録できるかどうかを判定してくれるものではありません

似ているかどうかの判断は、最終的には審査官が行います。

検索は、あくまで判断の材料を集めるための作業だと理解しておいてください。

また、出願されてからデータベースに反映されるまでには時間差があります。

直近に出願されたものは、検索しても表示されない可能性があります

検索した時点では見つからなくても、後から先行する商標が現れる場合があるということです。

\ ブランド名を決める前に、方向は固まっていますか /

誰に向けた商品なのかが決まっていないと、名前も設計もぶれます。

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検索の前に決めておく2つのこと

いきなり名前を入力しても、正確な結果は得られません。

先に、自分が何をどの分野で売るのかを決めておく必要があります

1.区分を確認する

商標は、名前だけで権利が決まるものではありません。

どの商品やサービスに使うかとセットで登録されます。

この分野分けを区分といい、第1類から第45類まで設けられています

第1類から第34類までが商品、第35類から第45類までがサービスにあたります。

たとえば衣類と食品では区分が異なるため、同じ名前でも両方が登録されている場合があります。

区分の数によって、特許庁に納める費用が変わる点も押さえておいてください。

必要のない区分まで指定すると、費用が膨らみます。

将来的に扱う予定のある商品まで含めるかどうかは、費用との兼ね合いで判断します

使う予定のない区分を大量に指定しても、実際には維持できません。

2.類似群コードを調べる

実は、審査で似ているかどうかを判断する基準は区分ではありません。

類似群コードという、互いに似た商品をまとめた記号が使われます

同じ類似群コードが付いた商品同士は、互いに類似すると推定される仕組みです。

区分は費用の計算に使われるもので、類似の範囲を決めるものではありません。

この違いを理解しておかないと、検索の精度が落ちます。

自分の商品の類似群コードは、J-PlatPatの商品・役務名検索で調べられます。

この機能は無料で使え、検索した結果をそのまま商標検索へ引き継げます。

扱う商品の名称を入力すると、該当する区分と類似群コードが表示される仕組みです。

自分の商品がどう呼ばれるのか分からない場合は、似た商品の名称で調べてみてください

一覧を眺めるうちに、近い表現が見つかることが多くあります。

商標検索の5ステップ

準備ができたら、実際に検索します。

中心になるのは、文字ではなく読み方で調べる称呼検索です。

STEP1.商品・役務名検索で類似群コードを調べる

まず、自分が売る商品の類似群コードを確認します。

商品・役務名検索の画面で、商品名を入力して検索します。

表示された一覧から、自分の商品に最も近いものの類似群コードを控えてください

該当するコードが複数ある場合は、すべて控えておきます。

1つの商品に複数のコードが付いていることも珍しくありません。

検索結果からそのまま商標検索へ引き継げる機能も用意されています。

STEP2.商標検索の画面を開く

次に、商標検索の画面に移ります。

検索の対象として、出願と登録の両方の情報を選んでください。

登録済みのものだけを見ると、審査中の商標を見落とします

審査を通れば権利が発生するため、こちらも確認の対象に含める必要があります。

STEP3.称呼で検索する

検索項目で、称呼による類似検索を選びます。

調べたい名前を、全角のカタカナで読み方として入力します

英語表記のブランド名であっても、日本語での読み方を入力する形です。

この方法を使う理由は、表記が違っても読み方が近ければ類似と判断されうるためです。

アルファベットとカタカナ、間にスペースがあるかどうか、語尾の違い。

こうした差があっても、読み方が近ければ問題になる可能性があります

文字だけで検索して何も出てこなかった、という判断は危険です。

読み方は2つまで入力できるため、複数の読まれ方が想定される名前は両方試してください

STEP4.類似群コードで絞り込む

商品・役務の検索項目で、類似群コードを選びます。

STEP1で控えたコードを入力してください。

これにより、自分が売る分野に絞った結果が表示されます

絞り込まずに検索すると、まったく関係のない分野の商標まで表示されます。

件数が多すぎて確認しきれない場合は、この絞り込みができていないことが原因です。

反対に、絞り込みすぎると見落としが生じます。

関連する類似群コードが複数ある場合は、それぞれで検索してください

STEP5.結果を確認する

検索結果が表示されたら、一件ずつ内容を確認します。

見るのは、商標の内容、指定されている商品、権利の状態の3点です。

権利が消滅しているものは、影響しない場合があります。

候補の名前を複数用意しておくと、この段階で切り替えられます。

1つに絞り込んでから調べると、使えなかったときにやり直しになります。

気になる結果があれば、その商標の詳細画面まで開いて内容を確認してください

どの商品に対して権利があるのかが、そこで具体的に分かります。

ロゴや図形を調べる場合

文字だけでなく、図形を含むロゴを商標にすることもできます。

図形については、内容ごとに割り当てられたコードを使って検索する仕組みが用意されています。

動物、植物、幾何学模様といった分類ごとにコードが決められています。

ただし、この検索は文字よりも難易度が上がります。

似ているかどうかの判断も、見た目の印象という主観が入りやすい領域です。

文字とロゴを組み合わせた商標では、どちらの要素で判断されるかも変わります。

ロゴを商標にする予定があるなら、早い段階で専門家に相談したほうが確実です。

\ 商標を取る前に、売れる商品になっていますか /

登録しても、その商品が売れなければ費用だけが残ります。

公式LINEでは、需要のある市場の見極め方と、避けるべきジャンルの特徴をお伝えしています。

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検索結果の読み方と注意点

結果が出たら、それをどう解釈するかが問題になります。

何も出てこなかったから登録できる、とは限りません

似ているかどうかの判断は難しい

商標が似ているかどうかは、複数の観点から判断されます。

読み方だけでなく、見た目や意味も考慮されます。

この判断には専門的な知識が必要で、感覚で決められるものではありません

また、長い商標の一部だけが取り出されて判断される場合もあります。

会社名を含む商標であっても、特徴的な部分だけで比較されることがあるためです。

検索に出てこない理由で登録できない場合

先行する商標がなくても、登録できないことがあります。

商品の内容をそのまま表す言葉や、ありふれた名前は登録が認められません

たとえば、商品の品質や産地をそのまま示すような名前が該当します。

誰にでも使える言葉を、特定の人が独占できないようにするための決まりです。

覚えやすい名前ほど、この理由で認められないことがあります。

他人の氏名や、公的な機関を思わせる表示を含む場合も認められません

自己判断で進めない

検索は誰でもできますが、結論を出すのは別の作業です。

判断を誤れば、出願費用と時間の両方を失います

自分で調べたうえで、出願の前に弁理士へ相談する流れが確実です。

無料で相談できる公的な窓口も、各地に設けられています。

自分で検索した結果を持参すれば、相談の中身も具体的になります。

何も調べずに相談するより、格段に有意義な時間になります。

権利の状態を確認する

検索結果には、すでに権利が消滅しているものも含まれます。

更新されずに期限が切れたもの、途中で放棄されたものなどが該当します

権利が残っていないものは、判断に影響しない場合があります。

ただし、消滅から一定の期間は影響が残る場合もあるため、確認が必要です。

反対に、出願されたばかりで審査中のものには注意が必要です。

後から登録されれば、自分の出願より先に権利が発生することになります。

詳細画面で、現在どの状態にあるのかを必ず確認してください。

ブランド名を決めるときの考え方

検索の作業を効率よく進めるには、名前の決め方にもコツがあります。

後から変える負担を考えれば、最初の設計に時間をかける価値があります

候補を複数用意する

1つの名前に思い入れを持ちすぎると、使えないと分かったときに困ります。

最初から3つから5つの候補を用意して、まとめて検索する進め方がおすすめです。

どれかは通る、という状態を作っておけば冷静に判断できます。

候補を並べて検索すれば、作業も一度で済みます。

検索で不利になりにくい名前

一般的な言葉をそのまま使うと、すでに登録されている可能性が高くなります。

造語や、複数の言葉を組み合わせた名前のほうが通りやすい傾向があります。

同時に、検索されたときに他と混同されにくいという利点もあります。

自分のブランド名で検索したときに、自社の商品が上位に出る状態を作りやすくなります。

読みやすさと覚えやすさも、あわせて考えてください。

名前を聞いて検索できないブランドは、認知が広がりにくくなります。

読み方が何通りにも取れる名前は、この点で不利になります。

コンセプトが先、名前は後

名前から考え始めると、方向が定まらないまま進んでしまいます。

誰のどんな困りごとを解決する商品なのかを先に決めてください

それが固まっていれば、名前の候補も自然に絞られてきます。

何を足すかではなく何を残すかという視点でブランドを磨いた事例は、以下の記事で紹介しています。

関連記事:OEMブランド戦略で無印良品が世界で選ばれる理由と成功法則!“選ばれるブランド”を作る3つの理由

他の使われ方も確認する

商標として登録されていなくても、注意すべき場合があります。

同じ名前ですでに事業を行っている会社があれば、混同を招く可能性があります

検索エンジンで名前を調べ、同名の企業や商品がないかを確認しておいてください。

販売するサイトでも同じ名前を検索し、他の商品が出てこないか見ておきましょう。

使えるドメイン名やアカウント名が残っているかも、同じ段階で確認できます。

名前を決めるときに、この3つをまとめて確認しておくと後の手戻りがありません

\ ブランドを育てる流れを知りたい方へ /

商標は手段であり、目的は選ばれ続ける商品を作ることです。

公式LINEでは、商品企画から販売までの進め方をお伝えしています。

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検索の後にやること

検索が終わったら、次の段階に進みます。

調べただけでは権利は発生しません

出願の手続きに進む

問題がなさそうであれば、特許庁への出願手続きに進みます。

出願から登録までは、おおむね半年から1年ほどかかります

販売開始と同時に権利を持ちたいなら、逆算して早めに動く必要があります。

費用は、出願時と登録時の2回に分けて発生します。

弁理士に依頼する場合は、これに別途手数料が加わります。

費用は改定されることがあるため、特許庁のページで最新の金額を確認してください

海外で売る場合は別に必要

商標の権利は、国ごとに独立しています。

日本で登録しても、そのまま海外で保護されるわけではありません

海外で販売する予定があるなら、その国での手続きが別に必要になります。

先に他者が登録してしまうと、自分のブランド名で売れなくなる場合もあります。

海外展開を考えている場合は、早い段階で専門家に相談してください。

関連記事:Amazon輸出のリサーチ方法:売れる商品の見つけ方を徹底解説!

登録後も定期的に確認する

登録が済んだ後も、確認は続きます。

似た名前で出願する動きがないか、定期的に検索しておくと安心です。

権利は一定の期間で更新が必要になるため、その時期も把握しておいてください。

更新を忘れると権利が消え、他社に取られる可能性もあります。

商標を取る意味と優先順位

最後に、商標登録をどう位置づけるかを整理します。

取ること自体が目的になると、判断を誤ります

商標は守るための手段

商標を取っても、それだけで商品が売れるわけではありません。

育てたブランドを守るための手段であり、出発点ではないという位置づけです。

売れる商品を作ることが先にあり、商標はそれを守る役割を担います。

とはいえ、実績が出てから慌てて取ろうとすると間に合わない場合があります。

検索だけでも早めに済ませておく、という進め方が現実的です。

出願は商品が固まってから、検索は名前を思いついた時点でと分けて考えてください。

販売先での優遇を受けられる場合もある

販売するモールによっては、商標を持っていることで使える機能があります。

自分のブランドページを持てる、商品情報を保護できるといった内容です。

他社に商品ページを乗っ取られるリスクを下げる効果も期待できます。

商品ページの作り込みに使える機能が増える場合もあります。

こうした制度の内容は変更されることがあるため、最新の条件を確認してください。

利用するには出願中では足りず、登録が完了している必要がある場合もあります

積み上がるものを守る

販売の実績やレビューは、時間をかけて蓄積されていくものです。

その名前が使えなくなれば、蓄積したものも一緒に失われます

商標の検索と登録は、その土台を守るための作業だと考えてください。

積み上がる仕組みをどう作るかは、以下の記事で解説しています。

関連記事:Amazon OEMで資産形成をめざす!初心者向けに“続く仕組み”を作る方法を解説

まとめ

商標検索は、J-PlatPatという公的なデータベースを使って無料で行えます

調べる前に、自分が売る商品の区分と類似群コードを確認しておいてください。

審査で似ているかを判断する基準は区分ではなく、類似群コードです。

検索は、文字ではなく読み方で調べる称呼検索が中心になります。

表記が違っても読み方が近ければ類似と判断されるため、この点は重要です。

ただし、何も出てこなかったから登録できるとは限りません。

商品の内容をそのまま表す名前など、別の理由で認められない場合もあります。

まずは候補を3つほど用意して検索し、そのうえで弁理士に相談する流れで進めてみてください。

\ 今日から名前の確認を始めましょう /

読んだだけで終わらせず、まずは候補の名前を1つ検索してみてください。

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