日焼け止めOEMとは?SPF測定の費用と最小ロットの目安・メーカー選びの注意点を解説

自分のブランドで日焼け止めを作りたい。使用頻度が高く男女ともに需要があるため、さまざまなターゲットに向けた商品が販売されている分野です。参入を考える人が多いのも自然なことでしょう。
ただ、化粧水や美容液と同じ感覚で予算を組むと、途中で足りなくなります。日焼け止めは最小ロットが大きめに設定されるうえ、SPFやPAの測定にも費用がかかるからです。
この記事では、まず知っておくべきSPFとPAの意味から、剤形と処方の選び方、最小ロットと費用の内訳、そしてメーカーの見極め方までを順番に整理しました。予算を組む前に目を通しておいてください。
| 確認したいポイント | 結論 | 詳細 |
|---|---|---|
| 日焼け止めOEMとは? | 製造を専門工場に委託する仕組み | 製造ラインも許可も不要。ジェルやパウダーなど、さまざまな形態の商品を作れる。 |
| 最小ロットはどのくらい? | 1,000〜3,000個が目安 | スキンケアより重い。推奨は5,000個以上とされ、資金計画に織り込む必要がある。 |
| 費用の落とし穴は? | SPFとPAの測定に費用がかかる | 測定方法は業界団体で定められている。海外へ出すなら現地基準の試験も必要になる。 |
| 何を基準に選ぶ? | 紫外線防御成分の扱いと測定対応 | 対応できる成分やカバー範囲、最小ロットもあわせて確認しておきたい。 |
この記事でわかること
- SPFとPAが何を示す数値なのかという基礎と、表示の決まり
- 測定に費用がかかるという、予算計画で見落としやすい前提
- クリームからパウダーまでの剤形と、ノンケミカル処方という選択肢
- スキンケアより重い最小ロットの目安と、費用の内訳
- 紫外線防御成分の扱いで見極める、失敗しないメーカー選び
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日焼け止めOEMとは?スキンケアとは前提が違う
日焼け止めのOEMは、製造を設備と許可を持つ専門メーカーに委託する仕組みです。ただしこのカテゴリには、化粧水や美容液とは異なる前提があります。まずそこから確認していきましょう。
OEMとODMの違いは任せる範囲にある
OEMはOriginal Equipment Manufacturerの略で、他社ブランドの製品を製造すること、またはその製造業者を指します。自社に製造ラインや資格がない場合でも、OEMを使えば商品を形にできます。
一方のODMはOriginal Design Manufacturerの略で、企画や設計の段階からメーカー側が主導します。処方の知識が求められる分野なので、提案力のある相手を選べるかどうかが結果を左右します。
日焼け止めの分野では、すぐに商品化できる既存処方を用意しているメーカーもあります。開発の期間と費用を抑えたいなら、こうした処方を土台にする方法も選択肢に入ります。
最小ロットがスキンケアより重い
ここが最も重要な前提です。日焼け止めは化粧下地やファンデーションと同じく、色ごとの調色や充填設備の制約から最小ロットが高めに設定される傾向があります。
具体的には、最小ロットは1,000〜3,000個、推奨ロットは5,000個以上が目安とされています。化粧水や美容液が100個から作れることを考えると、必要な資金はまるで違ってきます。
メイクや医薬部外品は、スキンケアに比べて初回の最小ロットが大きくなりやすい点を、あらかじめ予算計画に織り込んでおく必要があります。この一点を知らないまま相談に行くと、提示される金額に驚くことになります。
医薬部外品にすると負担はさらに重い
美白などの効能をうたう場合は医薬部外品になります。新規処方として開発するなら部外品としての申請や、申請のための試験費用が必要になるため、化粧品と比べてコストが高くなります。
その結果、最小ロット3,000個以上でないと受けないというメーカーが多いのが実情です。はじめの1商品としては、化粧品区分で作るほうが現実的でしょう。
それでも需要が大きい分野
日焼け止めは化粧品のなかでも使用頻度が高く、男女ともに需要があります。そのため、さまざまなターゲットに向けた商品が市場に出ています。
肌トラブルに悩む人にとって役立つアイテムであり、季節性はあるものの一定の需要が続きます。ロットの重さを乗り越えられるなら、市場としての魅力は十分にある分野です。
SPFとPAが示すもの
商品づくりに入る前に、この2つの数値が何を意味するのかを正確に理解しておきましょう。訴求の言葉も測定の費用も、ここに紐づいています。
SPFはUV-Bへの防御指数
SPFはUV-Bに対する防御指数で、肌が赤くなるまでの時間をどれだけ延ばせるかを示す指標です。何も塗らなかったときと同程度の赤い日焼けを起こすまでにかかる時間の倍率、という考え方になります。
たとえばSPF25の日焼け止めを塗ると、素肌と同程度の紅斑を起こすには25倍の時間がかかるという意味です。数値が高いほど防御の効果が高いことになります。
表示には上限があり、最高値はSPF50、それを超える場合はSPF50プラスと表示されます。50を超えた数値を具体的に書くことはできません。
PAはUV-Aへの防御指数
PAはUV-Aに対する防御指数で、シミやシワの原因となる紫外線からの保護効果を示します。SPFが赤い日焼けを対象にするのに対し、こちらは黒い日焼けが対象です。
何も塗らなかったときと同程度の黒い日焼けを起こす時間の倍率で格付けされ、その値が2以下ならPA、4から8ならPAプラスプラスというように記号で表されます。
どちらの数値も紫外線防止効果の程度を示すものであり、すべてのUVケア商品を比較する指標として使われるため、業界で測定方法が統一されています。
測定には費用がかかるという前提
ここが予算計画で最も見落とされる部分です。この表示はすべてのUVケア商品を比較する指標として用いられるため、日本化粧品工業連合会で測定方法が定められています。
そして、測定には費用がかかるため、OEMで開発する際は注意が必要とされています。中身を作る費用とは別に、この試験費用を見込んでおかなければなりません。
処方を変更すれば、当然ながら測定もやり直しになります。試作の段階で数値の目標を固めておくことが、無駄な費用を出さないための基本です。作る商品の決め方はAmazon OEMとは?商品選定から仕入れまでのルートを物販未経験者向けに解説も参考になります。
海外へ出すなら現地基準の試験が必要
越境ECや海外展開を視野に入れているなら、もうひとつ確認すべきことがあります。日焼け止めを海外に輸出する場合、たとえば中国のように、販売する国の基準に則った試験が必要となる場合があります。
日本で取得した数値がそのまま通用するとは限らないということです。こうした事情に詳しいメーカーをパートナーとして選ぶことが、後の手戻りを防ぎます。
剤形と処方の選択
日焼け止めはクリームだけではありません。どの形にするかで、使われ方も価格帯も変わります。
クリーム・ジェル・パウダー・スプレー
OEMではジェルやパウダーなど、さまざまな形態の商品を製造できます。クリームは定番で密着感を出しやすく、ジェルは軽い使用感が特徴です。
パウダータイプは化粧の上から塗り直せるため、日中の重ね付け用として支持されています。スプレーは手を汚さず全身に使える利点があり、髪や背中への使用も想定できます。
どの剤形を選ぶかで、使ってもらう場面が変わります。朝の一度きりなのか、日中に塗り直すものなのか。この設計がコンセプトの核になります。
紫外線吸収剤と散乱剤、そしてノンケミカル処方
紫外線を防ぐ成分には、大きく分けて吸収剤と散乱剤があります。それぞれに特性があり、処方設計上の課題も異なります。
吸収剤を使わない設計はノンケミカル処方と呼ばれ、肌への負担を抑えたい層に向けた訴求として使われます。子ども向けや敏感肌向けの商品では、この処方が選ばれることが多くなります。
ただし、吸収剤を使わずに高いSPF値を出すのは技術的に難しい面があります。どこまでの数値を狙うのか、誰に向けた商品なのか。この2つを両立させる処方設計が、メーカーの力量が問われる部分です。
数値が高ければ良いとは限らない
SPF50プラスの商品ばかりが市場にあるように見えますが、日常生活で必要な数値は場面によって変わります。通勤や買い物程度なら、それほど高い数値は要りません。
数値を上げるほど処方の負担は増し、使用感も重くなりがちです。低めの数値で軽い使い心地を打ち出すという設計も、明確な差別化になります。誰に向けるかを決めてから数値を選んでください。
機能で差別化を図る
市場で売れる商品を作るには、競合との差別化を図る処方設計が欠かせません。ウォータープルーフ機能や、特殊な乳化技術を活用した設計などが、差別化の切り口として使われています。
スポーツ用、海やプール用、日常使い用。用途を絞れば、必要な機能もはっきりします。あれもこれもと機能を盛り込むより、ひとつに絞ったほうが伝わります。
最小ロットと費用相場
先に触れたとおり、日焼け止めは初期の負担が重いカテゴリです。何にいくらかかるのかを、構造から把握しておきましょう。
最小ロットの目安をもう一度確認する
最小ロットは1,000〜3,000個、推奨ロットは5,000個以上が目安です。仮に1個あたりの原価が500円だとしても、3,000個なら150万円が中身と容器だけで必要になります。
一般的な化粧品OEMでは最小ロット3,000個からという設定が多く、数百個から1,000個の小ロット対応が可能な場合もあります。ただし日焼け止めは、その中でも下限が上がりやすい部類だと考えてください。
小ロットで作れば1商品あたりの製造コストは高くなり、開発の自由度も下がります。一方で大ロットなら、競争力のある価格で勝負でき、こだわりも反映しやすくなります。
容器にも最低ロットがある
中身とは別に、容器にも最低ロットが設定されています。印刷や着色を施す場合、最小ロットは1,000本から3,000本となることが多いとされています。
余った容器の扱いはメーカーによって異なるため、契約前の確認が必要です。次のロットで使えるのか、保管はどうなるのか。ここを詰めておかないと、無駄な支出になります。
費用の内訳に測定費を入れ忘れない
費用は、中身のバルク、容器、パッケージ、充填加工費、送料、そしてSPFとPAの測定費用の合算で考えます。最後の項目を忘れると、予算が合わなくなります。
参考として、超小ロットの100〜300個なら処方がシンプルな製品で50万〜150万円、小ロットの300〜1,000個では100万〜200万円からという水準が化粧品全般の目安です。日焼け止めはこれに測定費が上乗せされると考えてください。
見積もりを比較する際は、製作単価に何が含まれているかを必ず確認し、総額で判断することが欠かせません。利益を圧迫する見えにくいコストはAmazonのOEMで「儲からない」は本当?失敗しないための5つの秘訣と成功事例でも整理しています。
販売価格と利益の組み立て方
原価が固まったら売価を決めます。ECで売るなら、原価に加えて手数料、配送料、広告費まで見込む必要があります。原価の3倍から4倍を売価の目安に置くのが一般的な考え方です。
加えて、初期にかかった測定費と開発費を何本で回収するのかも計算しておきましょう。この固定費を織り込んだうえで成立する価格帯かどうかが、事業として続けられるかを決めます。
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問い合わせから販売開始までの流れ
日焼け止めは測定という工程が入るぶん、他の化粧品より期間が長くなります。全体像を先に把握しておきましょう。
STEP1:コンセプトと目標数値を決める
最初にやるのは、誰の、どんな場面で使う日焼け止めなのかを一文で言えるようにすることです。そして同時に、SPFとPAの目標値も決めます。
日常使いなら高い数値は必要ありませんし、アウトドア用なら高い数値と耐水性が求められます。用途と数値をセットで決めておくと、処方の相談が具体的になります。
STEP2:メーカーへの問い合わせと見積もり
方向性が固まったら複数社に問い合わせます。伝えるべきは剤形、目標のSPFとPA、想定数量、価格帯、そして納品時期です。測定費が見積もりに含まれるかどうかを必ず確認してください。
見積もりは最低でも3社から取り、条件を揃えて比較します。1社だけでは相場観が持てません。
STEP3:試作と処方の確定
試作品が届いたら、伸び、白浮きの有無、べたつき、化粧のりを確認します。日焼け止めは使用感で敬遠されやすい商材なので、ここは丁寧に詰めてください。
重要なのは、処方が固まってから測定に進むことです。測定後に処方を変えれば、試験もやり直しになります。この順番を守るだけで、無駄な費用を避けられます。
STEP4:測定と容器・表示物の確定
処方が確定したら測定に入ります。結果が出たら、その数値を表示に反映します。測定の期間はメーカーや試験機関の状況によって変わるので、納期を確認しておきましょう。
あわせて容器と表示内容を確定させます。全成分表示や製造販売元の記載など、定められた項目に漏れがないかを必ず確認してください。刷り直しは費用と納期の両方に響きます。
STEP5:本製造から販売開始まで
本発注から納品までは、処方の開発と測定を含めると数か月かかります。日焼け止めは季節性のある商材なので、シーズンから逆算した計画が欠かせません。
春先に売りたいなら、前年の秋には動き出しているくらいの余裕が必要です。待っている間に販売ページの準備を進めておきましょう。
押さえておく法律と表示のルール
日焼け止めは肌に直接使う商品です。責任の所在や表示のルールから逃れることはできないので、着手前に確認しておきましょう。
製造販売業の許可が必要になる
国内で製造した化粧品を販売するには、医薬品医療機器等法にもとづく製造販売業の許可が必要です。この許可を持つ者が、品質と安全に関する流通上の責任を負います。
許可の取得には責任者の設置など複数の要件があり、個人が単独でそろえるのは現実的ではありません。そのため、許可を持つOEMメーカーの名義で製造販売してもらい、自分は販売者として関わる形が一般的です。
制度の詳細は厚生労働省「化粧品・医薬部外品等ホームページ」で公開されている通知類を確認できます。
SPFとPAの表示に関する決まり
測定して得た数値以外を表示することはできません。根拠のない数値を掲げることは、景品表示法上の問題にもつながります。
また、日焼け止めでうたえる効能効果の範囲も定められています。シミが消える、美白になるといった医薬品的な表現は化粧品では使えません。判断に迷ったら、メーカーの薬事担当に文言を見てもらってください。
失敗しないOEMメーカーの選び方
日焼け止めのOEMは、処方の技術力が仕上がりを大きく左右します。比較の視点を4つ挙げるので、問い合わせのときに確認してみてください。
紫外線防御成分の扱いと対応できる成分
依頼先を比較するときは、紫外線を防ぐ成分の取り扱い方や対応できる成分を確認しましょう。吸収剤を使うのか散乱剤だけで組むのか、どこまでの数値を実現できるのか。ここに各社の実力が出ます。
ノンケミカル処方を得意とする会社もあれば、高い数値を安定して出すことに強い会社もあります。自分が作りたい商品の方向性に合う相手を選ぶことが出発点です。
測定への対応と海外規制の知見
測定を自社で手配してもらえるのか、こちらで試験機関を探す必要があるのか。費用と期間の見通しを示してもらえるかは、大きな判断材料になります。
海外への展開を考えているなら、現地の基準に詳しいかどうかも確認してください。販売する国の規制に則った試験が必要になる場面で、知見のある相手なら道筋を示してもらえます。
対応範囲と最小ロット
製造後のことまで考えると、カバーできる範囲や最小ロット数もチェックすべき点になります。デザインや資材の手配まで任せられるのか、企画から納品までどこまで見てもらえるのか。
最小ロットについては、自分の資金と販売計画に合う下限を持つ会社を選んでください。1,000個で受けてくれるのか、3,000個からなのか。ここで候補はかなり絞られます。
見積書で確認したい項目
見積書を受け取ったら、単価だけで判断しないでください。測定費は含まれるか、初期費用に何が入るか、余った容器の扱いはどうなるか、送料は誰が持つか。この4点を同じ質問で各社にぶつけます。
追加発注時の単価と最短納期も聞いておきましょう。パートナー選びの考え方は物販副業×Amazon OEMで“成果が出る人”はここが違う!3つの思考の罠を解説も参考になります。
つまずきやすい場面と販売の設計
商品ができることと売れることは別の話です。日焼け止め特有の落とし穴も含めて、3つの場面を整理します。
季節を外すと在庫が1年寝る
日焼け止めは需要が春から夏に集中する商材です。シーズンを逃すと、次の年まで在庫を抱えることになります。化粧品には使用期限があるため、寝かせるほど価値は落ちます。
対策は、逆算した計画を立てることに尽きます。測定の期間まで含めて、販売開始日から逆算する。あるいは、日常使いの訴求で通年売れる設計にするという方向もあります。
使用感で敬遠されてしまう
白浮きする、べたつく、化粧が崩れる。日焼け止めはこうした不満がレビューに直結します。数値の高さだけを追って使用感を犠牲にすると、リピートされません。
試作の段階で、実際に化粧の下に塗って一日過ごしてみてください。数値と使用感のどちらを優先するかは、ターゲット次第です。日常使いなら、使い心地を取るほうが売れます。
初期費用の回収計画を立てる
測定費と開発費は、最初に一度かかる固定費です。この金額を何本の販売で回収するのかを、製造前に計算しておく必要があります。
1シーズンで回収できないなら、翌年も同じ処方で売り続ける前提の計画になります。長く続く仕組みの作り方はAmazon OEMで資産形成をめざす!初心者向けに“続く仕組み”を作る方法を解説でも扱っています。
差別化できず埋もれてしまう
大手が強く、価格帯も固まっているカテゴリです。普通の日焼け止めを作っても、店頭でも検索結果でも埋もれます。
用途を絞る、剤形で差をつける、肌質や年齢層を限定する。競合との差別化を図る処方設計を検討したうえで、商品の強みとなる訴求内容を組み立てることが欠かせません。既存商品のレビューにある不満が出発点になります。
まとめ|測定費とロットの重さを最初に織り込む
日焼け止めは使用頻度が高く男女ともに需要のある分野ですが、最小ロットは1,000〜3,000個、推奨は5,000個以上とスキンケアより明らかに重いカテゴリです。
そしてSPFとPAの測定には費用がかかります。測定方法は業界団体で定められており、処方を変えれば測定もやり直しです。試作の段階で数値の目標を固めておくことが、無駄を避ける基本になります。
海外への展開を考えるなら、販売する国の基準に則った試験が必要になる場合もあります。こうした事情に詳しいメーカーを選ぶことが、後の手戻りを防ぎます。
まずは用途と目標のSPF値を決めて、3社に測定費を含めた総額で見積もりを依頼するところから動いてみてください。数字が並べば、この商材で戦えるかどうかがはっきりします。
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