物販で古物商許可は必要?判断基準と申請の流れ・費用をわかりやすく解説

物販を始めるときに見落とされやすいのが古物商許可です。中古品を仕入れて売るなら必要になりますが、自分がどちらに当てはまるのか分からないまま販売を続けている方は少なくありません。

無許可で営業すれば罰則の対象になります。しかも知らなかったという事情で免れる規定はなく、後から取得すれば済むという話でもありません。

本記事では、許可が必要になる判断基準を整理したうえで、申請の流れ、費用と期間、取得後に発生する義務までを解説します。

確認したいポイント結論詳細
どんなときに許可が必要?転売目的で中古品を買う場合仕入れて売るなら必要で、自分の不用品を売るだけなら不要です。
新品を扱うなら要らない?卸から仕入れる新品は対象外ただし一度でも使用された物品や、使用のために取引された物は古物にあたります。
無許可だとどうなる?3年以下の懲役か100万円以下の罰金知らなかったという事情で免れる規定はありません。
費用と期間の目安は?手数料19,000円・約40日不許可や取下げでも手数料は返還されない点に注意が必要です。

この記事でわかること

  • 古物商許可が必要になるケースと不要なケースの線引き
  • 判断に迷いやすい具体例
  • 無許可で営業した場合の罰則
  • 申請の手順と必要書類、費用と期間の目安
  • 許可を取った後に発生する義務
目次

古物商許可とは

まず制度の目的と対象を押さえておきます。ここが分かると、必要かどうかの判断もしやすくなります。

盗品の流通を防ぐための制度

古物営業法は、盗品などが市場に流れることを防ぎ、被害の回復を図ることを目的とした法律です。中古品の売買を行う事業者に許可制と各種の義務を課しています。

つまり、この許可は事業者を管理するためというより、盗まれた物が転売されるのを防ぐために設けられています。取引相手の確認や記録の保存が義務づけられているのも同じ理由です。

この目的を理解しておくと、後で説明する各種の義務がなぜ必要なのかも納得しやすくなります。形式的な手続きではありません。

法律の条文は、政府の法令データベースで確認できます(参照:e-Gov法令検索「古物営業法」)。

古物とは一度でも使用された物品など

古物という言葉は、中古品より広い範囲を指します。一度使用された物品に加え、使用されていなくても使用のために取引された物品も含まれます。

つまり、新品として買ったが使わずに手放したものも古物にあたります。未使用品だから対象外というわけではありません。

未使用品や新品同様といった表記で売られている商品も、一度個人の手に渡っていれば古物です。表記に惑わされないでください。

物品に幾分の手入れをしたものも古物として扱われます。修理や清掃をしても性質は変わりません。

この定義は広く取られています。中古かどうかで判断するのではなく、一度でも取引の対象になったかどうかで考えてください。

なお、大型の機械で容易に取り外せないよう固定されているものなど、古物から除かれる物もあります。

13の品目に区分されている

古物は13の品目に分類されており、申請の際にどの品目を扱うかを届け出る必要があります。

美術品類、衣類、時計・宝飾品類、自動車、自動二輪車および原動機付自転車、自転車類、写真機類、事務機器類、機械工具類、道具類、皮革・ゴム製品類、書籍、金券類という区分です。

物販でよく扱われるのは、衣類、書籍、道具類、事務機器類あたりです。自分が扱う商品がどこに入るかを確認してください。

扱う予定のある品目は最初に申請しておくと手間が省けます。後から追加する場合は変更の届出が必要になります。

ただし、扱う予定のない品目まで並べる必要はありません。主に扱うものを中心に、現実的な範囲で選んでください。

許可が必要なケース・不要なケース

最も知りたい部分です。判断の軸はシンプルなので、しっかり押さえてください。

必要なのは転売目的で買い取る場合

原則として、転売する目的で中古品を買い取り、それを販売する場合には許可が必要になります。

リサイクルショップで仕入れる、フリマアプリで安く買って別の場所で売る、業者から中古品をまとめて買うといった行為が該当します。

反復継続して行っているかどうかも判断の要素になります。1回きりの取引と、繰り返し行う営業とでは扱いが変わります。

金額の大小は関係ありません。少額の取引でも、繰り返し行っていれば営業と判断されます。

許可を受けるのは、主たる営業所の所在地を管轄する都道府県公安委員会からです(参照:警察庁「古物営業・質屋営業について」)。

自分の不用品を売るだけなら不要

判断の目安として、自分が使っていたものや、自己使用のために買ったが未使用のものを売却するだけなら許可は不要とされています。

家にある服や本、使わなくなった家電を出品する段階では、手続きは必要ありません。物販を始めるときに不用品販売から入ることが勧められるのは、この点でも取り組みやすいためです。

費用も手続きもかからないため、まず流れを体験するには最適な入り口です。ここで感触をつかんでから次に進んでください。

ただし、自己使用と言いながら実際は転売するために買っているのであれば、許可が必要になります。名目ではなく実態で判断されます。

同じ商品を何点も買って出品していれば、転売目的と見られる可能性が高くなります。自分の感覚ではなく、外から見てどうかで考えてください。

迷うくらいなら取得しておくという判断もあります。取得して困ることはありません。

新品を卸から仕入れる場合は対象外

新品を卸売業者やメーカーから仕入れて販売する場合、一度も使用されておらず、使用のために取引されてもいない商品であれば古物にはあたりません。

海外の工場に製造を委託して自社商品として販売する形も、同じく対象外です。中古品を扱わないビジネスモデルを選べば、この手続きは不要になります。

ただし新品であっても、個人から買い取った未使用品は古物にあたります。仕入れ先が事業者かどうかも確認してください。

中古品を扱うかどうかは、事業の設計そのものに関わります。始める前に方針を決めておいてください。

自社商品を作る進め方については、Amazon OEMとは?商品選定から仕入れまでのルートを物販未経験者向けに解説で解説しています。

判断に迷いやすい例

無償で引き取ったものを売る場合は、許可が不要とされています。逆に、処分手数料を受け取って引き取ったものを売る場合も同様です。

海外で仕入れた古物を国内で販売する場合も、国内で買い取っていなければ許可の対象外とされることがあります。ただし判断は状況によります。

自分が売った商品を、売った相手から買い戻して転売する場合も許可は不要です。ただし、その相手からさらに転売された先から買い戻す場合は許可が必要になります。

知人の不用品を代理で出品して手数料を受け取る形は、条件によって許可が必要になる可能性があります。

個別の判断は取引の実態や営利性から個別具体的に行われます。迷う場合は、管轄の警察署に確認してください。

電話で相談できる場合もあります。取引の内容を具体的に説明すれば、必要かどうかを教えてもらえます。

都道府県によっては、公式サイトによくある質問がまとめられています。まずそちらを確認するのも早い方法です。

無許可で営業した場合の罰則

軽く考えられがちな部分ですが、刑事罰の対象です。

3年以下の懲役または100万円以下の罰金

古物営業法では、許可を受けずに古物営業を営んだ場合、3年以下の懲役または100万円以下の罰金と定められています。情状により両方が科されることもあります。

あわせて、許可の取消しの対象にもなります。刑事罰を受けた経歴は前科として残り、その後の許認可にも影響します。

名義貸しや、不正な手段で許可を受けた場合にも同じ罰則が適用されます。他人の許可を借りて営業する形も違反です。

他の違反にも罰則があります。営業所以外の場所で買い受けを行った場合や、取引の記録を残さなかった場合にも、それぞれ罰則が規定されています。

罰金の刑に処せられると、その後一定期間は許可を受けられない要件にも該当します。事業を続けるうえで大きな支障になります。

刑事罰だけでなく、営業停止や許可の取消しといった行政処分の対象にもなります。

知らなかったでは済まされない

法律を知らなかった、事業が軌道に乗ってから取るつもりだったという事情で、刑罰を免れたり軽くしたりする規定は存在しません。

発覚する経路もさまざまです。他の事業者からの通報、警察が盗品の流通経路をたどる過程、取引相手からの申告などが考えられます。

自分は小規模だから大丈夫という判断は取らないでください。

プラットフォームを通じた取引は記録が残ります。売買の履歴から実態が把握される可能性は十分にあります。

今から取得する場合の対応

すでに許可を取らずに仕入れと販売を始めてしまっている場合は、出品を止めたうえで、ただちに申請の手続きに着手してください。

放置して営業を続けるほど、状況は悪くなります。まず止める、次に申請するという順番で動いてください。

申請の際に過去の営業について問われることもあります。事実を隠さずに説明したほうが、結果的に話は早く進みます。

不安がある場合は、管轄の警察署や行政書士に相談してから進めるのが確実です。

許可が下りるまでの期間は、新品を扱うか不用品の販売に切り替えて対応するという方法もあります。

申請の流れと必要書類

手続き自体は難しくありません。順番に進めれば個人でも申請できます。

STEP1|営業所を決める

最初に決めるのが営業所です。自宅で作業する場合は自宅が営業所になり、原則としてパソコンを使う場所が該当します。

賃貸物件の場合は、使用目的が居住用になっていないかを確認してください。管轄の警察署によっては、貸主の使用承諾書を求められることがあります。

承諾書の取得には時間がかかることがあります。必要になりそうな場合は、早めに貸主へ連絡しておいてください。

親族や知人の物件を使う場合も、同様に承諾書が必要になることがあります。事前に確認しておくと手戻りを防げます。

営業所は在庫の保管場所とは別に考えます。取引の判断を行う拠点がどこかという観点で決めてください。

STEP2|必要書類を集める

個人で申請する場合、許可申請書、住民票の写し、身分証明書、略歴書、誓約書、営業所の使用権原を示す書類などが必要になります。

ここでいう身分証明書は、本籍地の市区町村が発行する書類を指します。運転免許証のことではないため、取り寄せに時間がかかります。

本籍地が遠方の場合は郵送での請求になります。往復で1週間以上かかることもあるため、最初に着手してください。

インターネットで販売する場合は、使用するURLを届け出る必要があります。ドメインの使用権原を示す資料も求められます。

必要書類は都道府県によって細かな違いがあります。申請前に管轄の警察署で確認してください。

法人で申請する場合は、これに登記事項証明書や定款の写しなどが加わります。役員全員分の書類も必要になります。

STEP3|管轄の警察署へ申請する

書類が揃ったら、営業所を管轄する警察署の防犯係に提出します。事前に電話で予約が必要な場合もあるため、いきなり訪問せず確認してから向かってください。

書類に不備があると再訪問になります。担当者に一度目を通してもらってから正式に提出するとスムーズです。

申請時に手数料を納めます。窓口で収入証紙などを購入する形が一般的です。

提出の際に、扱う品目や取引の方法について質問されることもあります。事業の内容を説明できるようにしておいてください。

STEP4|許可証の交付を受ける

審査を経て、許可となれば連絡があります。許可証を受け取り、営業所に標識を掲示すれば営業を始められます。

全国で営業所を持つ場合でも、許可は主たる営業所の所在地を管轄する公安委員会から1つ受ける形になります。

他の都道府県に営業所を追加する場合は、届出で対応できます。改めて許可を取り直す必要はありません。

許可証は営業の際に携帯する必要がある場面もあります。保管場所を決めて紛失しないようにしてください。

費用と期間の目安

申請前に把握しておきたい2つの数字です。

申請手数料は19,000円

申請には手数料がかかります。金額は19,000円で、不許可となった場合や申請を取り下げた場合も返還されません。

このほか、住民票や身分証明書の取得に数百円ずつ、賃貸物件の承諾書が必要な場合はその手配の手間が加わります。

最新の金額や必要書類は、管轄の警察署で確認してください。都道府県によって運用に違いがあります。

更新の手続きはなく、一度取得すれば有効です。ただし変更があったときの届出は必要になります。

標準的な処理期間は40日程度

申請してからすぐに許可が下りるわけではありません。申請から40日以内に許可または不許可の連絡があるのが一般的とされています。

土日祝を除いた日数で計算されるため、実際には2か月近くかかることもあります。仕入れを始めたい時期から逆算して申請してください。

書類を集める期間も含めれば、思い立ってから営業開始までに2か月から3か月は見ておくのが現実的です。

書類の不備で差し戻されれば、その分だけ延びます。事前確認を丁寧に行うことが結果的に近道になります。

行政書士に依頼する場合

書類の収集や作成を専門家に任せることもできます。自分で行えば手数料だけで済みますが、時間を優先するなら依頼も選択肢になります。

報酬は事務所によって異なります。複数から見積もりを取って比較してください。

書類の取り寄せに慣れていない場合や、本業が忙しい場合には検討する価値があります。手数料とは別に費用がかかる点だけ理解しておいてください。

許可取得後に発生する義務

取って終わりではありません。営業を続けるうえで守るべき義務があります。

標識の掲示

営業所には、定められた様式の標識を掲示する必要があります。ネットのみで販売する場合も、営業所への掲示は必要です。

標識は許可番号や氏名などを記載したもので、指定の規格があります。

インターネットで販売する場合は、サイト上にも許可した公安委員会の名称や許可番号、氏名を表示する必要があります。

取引相手の確認

古物を買い受けるときは、相手の住所、氏名、職業、年齢を確認する義務があります。盗品の流通を防ぐという法律の目的に直結する部分です。

対面でない取引の場合は、定められた方法で本人確認を行う必要があります。方法は法令で細かく定められています。

ネットで買い取る場合は特に注意が必要です。使える確認方法が限られているため、事前に確認しておいてください。

あわせて、取引した古物が盗品の疑いがあると認めたときは、警察官に申告する義務もあります。

少額の取引など、確認が不要とされる場合もあります。どこまでが対象かは事前に確認しておいてください。

確認を怠ったまま盗品を扱ってしまうと、事業そのものが立ち行かなくなります。手間でも省略しないでください。

帳簿への記録と保存

取引の記録を残すことも義務です。取引の年月日、古物の品目と数量、特徴、相手方の住所や氏名などを帳簿に記載します。

記載した帳簿は一定期間保存する必要があります。記録を残さなかった場合にも罰則が定められています。

紙の帳簿でも、電子データでも構いません。続けやすい形を選んでください。

在庫や利益の管理表と兼ねる形にすれば、二重に記録する手間を省けます。最初から一体で設計しておくと楽です。

この帳簿は在庫や利益の管理にも使えます。物販の記録づくりについては、物販副業×Amazon OEMで”成果が出る人”はここが違う!3つの思考の罠でも触れています。

変更があったときの届出

氏名や住所、営業所、扱う品目に変更があった場合は届出が必要です。営業所を追加する場合や、他の都道府県に営業所を設ける場合にも手続きが発生します。

届出を怠ると、それ自体が違反になります。引っ越しなどで住所が変わったときも忘れないでください。

届出には期限が定められています。変更が生じたら、早めに手続きしてください。

許可を取るメリット

義務が増える一方で、得られるものもあります。

仕入れ先の選択肢が広がる

最も実務的な利点がこれです。古物商許可を持つ事業者だけが参加できる業者向けの市場があり、そこで仕入れられるようになります。

一般の消費者が買えない価格帯で商品を仕入れられるため、原価率の改善につながります。仕入れの幅そのものが変わります。

全国に多数の市場が存在し、扱う品目も分かれています。自分の扱う商材に合う市場を探してみてください。

参加には紹介が必要な市場もあります。まずは見学から受け入れているところを探すのが現実的です。

利益が残る構造の作り方については、AmazonのOEMで「儲からない」は本当?失敗しないための5つの秘訣と成功事例でも整理しています。

取引先からの信頼につながる

許可番号を掲示していることは、法令を守って営業している事業者だという証明になります。

購入者から見ても安心材料になり、業者間の取引でも前提条件として求められることがあります。

中古品を扱う以上、購入者は状態や真贋を気にします。許可番号の表示は、その不安を和らげる材料の一つになります。

事業として拡大しやすくなる

中古品を扱えるようになると、扱える商材の幅が広がります。新品だけでは狙えない市場にも入れるようになります。

あわせて、開業届や青色申告といった事業としての体裁を整えることで、経費や控除の面でも有利になります。

許可の取得は、事業として本格的に取り組む区切りにもなります。手続きを整えることで、判断も前向きになります。

長く続く形をどう作るかについては、Amazon OEMで資産形成をめざす!初心者向けに”続く仕組み”を作る方法で解説しています。

まとめ|仕入れて売るなら申請は先に

古物商許可は、転売する目的で中古品を買い取って販売する場合に必要になります。自分の不用品を売るだけなら不要で、新品を卸から仕入れる場合も対象外です。

無許可での営業は、3年以下の懲役または100万円以下の罰金の対象です。知らなかったという事情で免れる規定はありません。

申請手数料は19,000円、許可までの期間は40日程度が目安です。仕入れを始めたい時期から逆算して、早めに手続きを進めてください。

なお、法令や運用は改正されることがあります。本記事は一般的な考え方を整理したものであり、個別の判断については管轄の警察署または専門家にご相談ください。

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