ネットショップの商品写真の撮り方|揃えるべき6カットと光の作り方

ネットショップでは、購入者が商品に触れることができません。判断の材料は写真と説明文だけです。

つまり写真は、実店舗でいう商品そのものにあたります。同じ商品でも、写真の質で売れ行きが変わるのはこのためです。

本記事では、揃えるべき6種類のカットを整理したうえで、光の作り方、背景と構図、スマホで撮るときのコツ、そして加工の限界までを解説します。

確認したいポイント結論詳細
機材は何が必要?スマホと白い紙で足りる白背景の物撮りなら、高価なカメラでなくても十分な品質になります。
一番大事な要素は?光の作り方自然光を1つの光源にして、室内の照明は消すのが基本です。
何枚撮ればいい?6種類のカットを揃えるメイン、角度違い、サイズ感、使用場面、細部、同梱物です。
加工はどこまで?実物と違う印象にしない明るさや傾きの補正は問題ありませんが、色や質感の改変は避けます。

この記事でわかること

  • 商品ページに揃えるべき6種類のカット
  • 自然光を使った光の作り方
  • 背景と構図の基本
  • スマホで撮るときの注意点
  • 加工でやってよいことと避けるべきこと
目次

写真が売上を決める理由

技術に入る前に、何のために撮るのかを整理します。

実物に触れられないから

店舗であれば、手に取って質感やサイズを確かめられます。ネットショップでは、その役割をすべて写真が担います。

素材の風合い、大きさ、色味、付属品の有無。これらが伝わらなければ、購入者は判断できません。判断できなければ買われません。

逆に言えば、写真で疑問を解消できれば、価格が多少高くても選ばれます。

価格でしか比べられない状態から抜け出す手段の1つでもあります。

同じ商品を扱う競合が多いほど、写真の差が結果を分けます。

商品そのものを変えられない段階でも、写真は今日から改善できます。

写真は見た目を良くするためのものではなく、情報を伝えるためのものだと考えてください。

おしゃれかどうかより、疑問が残らないかどうかで判断してください。

購入者が何を知りたいかは、その商品のレビューを読めば分かります。

思っていたより小さかった、色が違ったといった声は、写真で防げる問題です。

見られるのは最初の1枚

検索結果に並んだ時点で、勝負は始まっています。一覧に表示されるのは1枚目の画像だけです。

ここで選ばれなければ、商品ページを開いてもらえません。どれだけ説明文を作り込んでも読まれないということです。

広告を出している場合も同じです。表示されるのは1枚目の画像だけです。

広告費をかけても、1枚目が弱ければクリックされません。

広告を増やす前に、まず画像を見直してください。

1枚目は特に時間をかけて撮ってください。

小さく表示されても何の商品か分かるかを、縮小して確認しておくと確実です。

スマートフォンの画面ではさらに小さく表示されます。その状態でも判別できるかを見てください。

多くの購入者はスマートフォンで見ています。この確認は欠かせません。

技術より情報の設計が先

最も重要な考え方です。きれいに撮ることより、必要な情報が写っているかのほうが売上に効きます。

プロが撮った1枚だけの商品ページより、素人が撮った6枚のほうが売れることは珍しくありません。購入者が知りたいことに答えているためです。

売れている商品のページを見れば、写真が5枚以上あることがほとんどです。

自分の商品ページと並べて比べてみてください。差はすぐに分かります。

何枚あるか、どんな種類の写真が入っているかを数えるだけでも参考になります。

まず何を撮るかを決めて、それからどう撮るかを考えてください。

順番を逆にすると、きれいだが情報の足りない写真ができあがります。

撮る前に、何を撮るかをメモに書き出しておいてください。

リストがあれば、撮り忘れも防げます。撮り直しの手間もなくなります。

揃えるべき6つのカット

撮る前にリストを作ってください。この6種類が基本になります。

カット1|メイン画像

一覧に表示される1枚目です。商品全体が分かり、余計なものが写っていない写真にしてください。

モールによっては、背景を白にすることや、商品以外の要素を入れないことが求められます。出品する場所の規定を確認してから撮影してください。

規定を外すと、掲載されない場合や表示が崩れる場合があります。

推奨されるサイズも決まっています。撮影前に確認しておくと作り直しを防げます。

規定は更新されることがあります。定期的に確認してください。

迷ったら、正面からやや斜め上の角度が無難です。商品の全体像が最も伝わります。

文字や説明を入れられるかどうかも、モールによって規定が異なります。事前に確認してください。

2枚目以降は自由度が高い場合が多いため、そこで情報を補ってください。

文字を入れる場合も、スマートフォンで読める大きさにしてください。

カット2|角度違い

複数の方向から撮ります。正面、背面、側面、上からの4方向があれば、形状はほぼ伝わります。

立体的な商品ほど、この情報が重要になります。背面がどうなっているか分からない商品は、購入をためらわれます。

開閉する商品なら、開いた状態と閉じた状態の両方を撮っておいてください。

4枚が難しければ、正面と背面の2枚からでも構いません。まず揃えることが先です。

同じ位置から商品だけを回して撮れば、背景も光も統一できます。

カメラを動かすより、商品を動かすほうが条件を揃えやすくなります。

三脚があれば、この作業はさらに楽になります。

カット3|サイズ感が分かる写真

最も返品を減らす1枚です。数字だけでは大きさは伝わりません。手に持った写真や、身近なものと並べた写真を入れてください。

メジャーを添えて撮る方法もあります。実寸を画像に書き込んでおけば、説明文を読まない人にも伝わります。

言語が違う購入者にも伝わるという利点もあります。海外向けに販売する場合は特に有効です。

返品が減れば、その分の送料と手間も減ります。利益にも直結します。

1件の返品を防ぐだけで、数千円の損失を避けられます。

サイズの認識違いは返品の主な原因です。ここを丁寧にするだけで、後の手間が減ります。

衣類や靴では特に重要です。実寸の測り方も添えておくと親切です。

平置きで測った寸法か、着用時の寸法かも明記してください。

測る位置を図で示しておけば、認識のずれはほぼなくなります。

カット4|使用している場面

購入後をイメージさせる1枚です。実際に使っている様子が分かれば、自分が使う姿を想像しやすくなります。

置き場所、身に着けた状態、調理した後など、商品によって表現は変わります。生活の中に置かれた写真は、商品単体より伝わります。

誰が使う商品なのかも、この1枚で伝えられます。

自宅で撮る場合は、生活感が出すぎないよう周囲を片づけてください。

余計なものが写っていると、商品への注意がそれてしまいます。

この1枚があるかどうかで、価格の納得感も変わります。

同じ商品でも、使われている場面が見えるだけで価値の伝わり方は変わります。

人物を入れる場合は、写っている方の許可を得てから使用してください。

顔を入れなくても、手や体の一部だけで使用感は伝わります。

カット5|細部の写り

品質を伝える写真です。素材の質感、縫製、金具、表面の仕上げなど、近づいて撮った写真を入れてください。

価格が高い理由を説明する材料になります。文章で丁寧に作られていると書くより、写真1枚のほうが説得力があります。

改良した点がある商品なら、その部分を大きく写してください。

既存の商品と何が違うのかを、写真で示せるかどうかが差になります。

言葉で説明するより、見せたほうが速く伝わります。

中古品を扱う場合は、傷や使用感も正確に写してください。隠せば必ずトラブルになります。

正直に伝えたほうが、届いたときの満足度は高くなります。

期待を下回るより、期待どおりか少し上回るほうが評価は良くなります。

評価はその後の販売にも影響します。目先の1件より長期の信用を優先してください。

カット6|同梱物と付属品

何が届くかを示す写真です。本体、付属品、説明書、保証書などを並べて撮っておくと、届いてから足りないという問い合わせが減ります。

セット販売の場合は特に重要です。何がいくつ入っているかを一目で分かるようにしてください。

この6種類を撮り終えてから、余裕があれば追加の写真を考えてください。

先に一通り揃えるほうが、1枚に時間をかけるより成果につながります。

売れ行きを見ながら、後から不足している情報を足していってください。

問い合わせが多い項目があれば、それを写真で示せば減らせます。

光の作り方

写真の質を最も左右する要素です。

自然光を1つの光源にする

基本の設定です。窓際にテーブルを置き、室内の照明はすべて消してください。

照明と自然光が混ざると、光の色がばらつきます。太陽光は白っぽく、室内の電球は黄色っぽいため、同時に当たると色が安定しません。

光源を1つにするだけで、写真の色は大きく改善します。費用もかかりません。

撮影する時間帯もそろえてください。朝と夕方では光の色が変わります。

複数の商品を撮る場合は、まとめて同じ時間に済ませると統一感が出ます。

撮影の日をあらかじめ決めておくと、まとめて処理できて効率的です。

新しい商品が届いたら、その日のうちに撮るという習慣も有効です。

直射日光は避ける

明るければよいわけではありません。直射日光が当たると影が濃く出て、商品の形が分かりにくくなります。

レースのカーテンを引く、窓にトレーシングペーパーを貼るといった方法で光を柔らかくしてください。曇りの日は、それだけで理想的な光になります。

薄い白い布を1枚用意しておけば、どの窓でも同じ光を作れます。

天候によって光は変わります。同じ商品群は同じ日に撮ってください。

逆に暗すぎても質感は伝わりません。室内が自然に明るく見える位置を探してください。

窓のすぐ近くは光が強すぎることがあります。少し離れた位置から試してみてください。

北向きの窓は光が安定しやすく、撮影には向いています。

時間帯によって光の入り方も変わります。良い条件が得られる時間を覚えておいてください。

レフ板で影を薄くする

簡単で効果の大きい工夫です。光が当たっていない側に白い紙を立てるだけで、影に光が回って全体が明るくなります。

専用の道具は必要ありません。白い画用紙や模造紙、発泡スチロールの板でも代用できます。

100円程度で用意できる道具で、仕上がりは明確に変わります。

照明を買う前に、まずこの方法を試してみてください。

必要性を感じてから機材を買えば、無駄になりません。

角度を変えながら、影がちょうどよい濃さになる位置を探してください。

影を完全に消す必要はありません。適度な影があるほうが立体感は伝わります。

影がまったくないと、宙に浮いているような不自然な印象になります。

置かれている状態が伝わるほうが、購入者は安心します。

光の方向で立体感が変わる

意外に見落とされる点です。正面から光を当てると、面ごとの明るさが揃って平坦に見えます。

横から、あるいは斜め後ろから光を当てると、面ごとに明るさの差が生まれて立体感が出ます。この差が形を伝えます。

上面が最も明るく、正面が次に明るく、側面が暗いという並びが自然に見えます。

この明るさの差が、見ただけで形を伝える役割を果たします。

平坦に見える写真は、この差が足りていないと考えてください。

影は被写体の後ろに流すのではなく、手前斜めに流すと自然に見えます。

商品を少し回転させながら、最も形が伝わる角度を探してみてください。

数枚撮って見比べれば、どの角度が良いかはすぐに分かります。

撮影は数を撮って選ぶ作業です。1枚で決めようとしないでください。

背景と構図

光の次に効く要素です。

白い背景を用意する

最も扱いやすい背景です。白い壁、白い布、厚手の画用紙のいずれかがあれば十分です。

厚手の紙を1枚用意しておけば、どこでも撮影できます。テーブルと壁の間に挟んで固定すれば、境目のない背景が作れます。

商品のイメージに合わせて、木目や布の背景を使う方法もあります。ただし1枚目は白が無難です。

背景を変える場合も、シリーズで統一すればブランドらしさにつながります。

ばらばらの背景では、同じブランドの商品だと認識されません。

背景のシワやヨレは仕上がりに響きます。しっかり固定してから撮ってください。

紙は使ううちに折れ目がつきます。予備を用意しておくと安心です。

折れ目のついた背景は、加工で消すのに手間がかかります。

余白を取る

構図の基本です。商品を画面いっぱいに写さず、周囲に余白を残してください。

余白があると商品が引き立ちます。また、後からトリミングして複数のサイズに対応させることもできます。

切り抜きに耐えられるよう、余裕を持って撮っておいてください。

後から別の用途で使うときにも、余白があるほど対応しやすくなります。

広告や販促の素材としても、同じ写真を使い回せます。

商品を背景に近づけすぎると、影が背景に落ちて汚れて見えます。少し離してください。

余白の量も商品ごとにそろえると、一覧で並んだときの見え方が整います。

ストアページに複数の商品を並べる場合は、この統一が効いてきます。

1商品ずつ最適化するより、全体で揃えるほうが印象は良くなります。

水平を取る

傾いた写真は雑な印象を与えます。カメラのグリッド機能を使って、撮影の段階で水平を合わせてください。

後から補正することもできますが、その分だけ画像の一部が切れます。最初から合わせるほうが確実です。

複数の商品を同じ設定で撮れば、商品ページ全体に統一感が出ます。世界観を揃える考え方は無印良品に学ぶOEMブランド戦略|世界で選ばれる理由と成功法則でも解説しています。

スマホで撮るときのコツ

高価な機材は必要ありません。

スマホで十分な理由

現在のスマートフォンのカメラであれば、白背景の物撮りに必要な性能は十分に備わっています。

背景をぼかす表現が必要な場合は専用のカメラが有利ですが、商品写真では全体にピントが合っているほうが望ましいことが多くあります。

つまり、機材にお金をかける前にやるべきことが残っているということです。

ただし撮影環境には左右されます。明るい場所で撮ることが前提になります。

暗い部屋で撮ると、スマホの性能では補いきれません。場所選びが機材選びより重要です。

夜に撮るより、昼間の明るい時間帯に撮るほうが確実です。

本業がある方は、休日にまとめて撮る形が現実的です。

明るいところにピントを合わせる

スマホ特有の注意点です。暗い部分に合わせると、全体が明るくなりすぎて白飛びします。

画面上で商品の明るい部分をタップしてピントと明るさを合わせてください。多くの機種では、その後に指を上下に動かして明るさを微調整できます。

この操作を覚えるだけで、仕上がりは大きく変わります。

自動に任せると、背景の白に引っ張られて商品が暗くなることがあります。

白背景で撮るときは特にこの現象が起こりやすくなります。

撮った直後に確認して、暗ければその場で撮り直してください。

複数枚撮る

手で持って撮る以上、手ぶれは避けられません。同じ構図で数枚撮っておき、後から選んでください。

三脚を使えばぶれは減ります。数千円で買えるものでも効果は十分です。

同じ位置から複数の商品を撮る場合も、三脚があれば構図がそろいます。

スマートフォン用の小型のものでも十分です。

拡大したいときはズーム機能ではなく、自分が近づいてください。ズームは画質が落ちます。

加工でやってよいことと避けること

最後に、法令上の注意も含めて整理します。

明るさと傾きの補正は問題ない

撮影後の調整は必要な作業です。明るさ、コントラスト、傾きの補正、余分な部分のトリミングは通常の範囲です。

無料で使える編集アプリでも十分に対応できます。凝った加工は不要です。

加工に時間をかけるより、撮影の段階で整えるほうが早く済みます。

補正で救える範囲には限りがあります。元の写真の質が結果を決めます。

複数の商品で同じ設定にすれば、ページ全体の印象が揃います。

元の画像は必ず残しておいてください。後から別のサイズや形式が必要になることがあります。

フォルダを商品ごとに分けて管理すれば、更新のたびに探し直す手間もなくなります。

実物と違う印象にしない

ここが最も重要な線引きです。色を実物と変える、傷を消す、大きさを実際より大きく見せるといった加工は避けてください。

消費者庁によると、実際のものより著しく優良または有利であると誤認される表示は禁止されており、事業者側に故意や過失がなかったとしても措置命令の対象になり得ます(参照:消費者庁「景品表示法」)。

実務の面でも、届いた商品が写真と違えば返品と低評価につながります。長い目で見れば損失にしかなりません。

故意でなくても、結果として誤認させれば問題になり得ます。

モニターによって色の見え方は変わります。色味が重要な商品では、その旨を説明文に添えておくと親切です。

複数の環境で確認できるなら、パソコンとスマートフォンの両方で見ておいてください。

写り込みに注意する

見落とされやすい点です。背景に他社のロゴやキャラクター、他人の顔が写り込んでいないかを確認してください。

自宅で撮影する場合、生活用品のブランドロゴが映り込むことがあります。撮影前に周囲を片づけてください。

鏡や光沢のある面に映り込むこともあります。撮影後の確認も忘れないでください。

また、仕入れ先から提供された画像をそのまま使うと、他社の権利物が含まれている可能性があります。自分で撮影するのが最も安全です。

海外の工場から受け取った画像は、特に注意が必要です。

商標や意匠の登録状況は、特許情報プラットフォームで無料で検索できます(参照:INPIT「特許情報プラットフォーム(J-PlatPat)」)。

まとめ|何を撮るかを決めてから撮る

ネットショップの商品写真で重要なのは、撮影の技術より情報の設計です。メイン、角度違い、サイズ感、使用場面、細部、同梱物という6種類のカットを揃えることを先に決めてください。

光の作り方は、窓際で室内の照明を消し、レースのカーテンで光を柔らかくして、白い紙をレフ板として使うという設定が基本です。費用はほとんどかかりません。

加工は明るさと傾きの補正までにとどめ、実物と違う印象を与える加工は避けてください。返品と低評価につながるだけでなく、表示に関する法令上の問題にもなり得ます。

まずは手元にある商品を1つ選んで、6種類のカットを撮ってみてください。撮ってみると、何が足りないかが分かります。商品の選び方についてはAmazon OEMとは?商品選定から仕入れまでのルートを物販未経験者向けに解説で解説しています。

よかったらシェアしてね!
  • URLをコピーしました!
  • URLをコピーしました!

この記事を書いた人

コメント

コメントする

目次