Amazonブランドストアとは?作成条件と作り方、売上への効果を解説

Amazonで自社ブランドを展開していると、商品ページだけでは伝えきれないもどかしさを感じることがあります。1商品につき1ページという原則があるため、ブランド全体の世界観を表現する場がないためです。
その解決策として用意されているのがブランドストアです。無料で作成でき、条件を満たせば誰でも持てます。
本記事では、ブランドストアの仕組みと作成できる条件を整理したうえで、実際の効果を示すデータ、作り方の手順、成果につながる構成の考え方までを解説します。
| 確認したいポイント | 結論 | 詳細 |
|---|---|---|
| ブランドストアとは? | ブランド専用の無料ページ | Amazon内に自社ブランドのミニサイトを作れる仕組みです。 |
| 作るのに条件はある? | 商標とブランド登録が前提 | 商標出願中または登録商標のあるブランドのみ作成できます。 |
| 費用はかかる? | 作成自体は無料 | 広告を出す必要もありませんが、大口出品プランの費用は別に必要です。 |
| 効果はあるの? | 購入率と注文金額に差が出る | 訪問した新規顧客は購入の可能性が高く、注文金額も大きい傾向があります。 |
この記事でわかること
- ブランドストアの仕組みと商品ページとの違い
- 作成するための3つの条件
- 購入率と注文金額に関する公表データ
- 作成の手順と審査にかかる期間
- 成果につながるストアの構成と改善の進め方
Amazonブランドストアとは
まず仕組みを確認します。商品ページとは目的が異なります。
ブランド専用のページを無料で作れる仕組み
ブランドストアとは、ブランド登録を済ませた出品者がAmazon内に構築できる、ブランド専用のページです。ストアやストアページとも呼ばれます。
複数のページを持つミニサイトのような構造で、商品の一覧だけでなく、動画やブランドの紹介文も掲載できます。専門的な知識がなくても、用意されたテンプレートを組み合わせて作成できます。
Amazonのドメイン上に置かれるため、サーバーの契約もドメインの取得も不要です。運用の手間はほとんどかかりません。
作成自体は無料です。Amazon内に広告を掲載する必要もありません。
出品者だけでなく、ベンダーや代理店も利用できます。自社で作るか外部に任せるかは、体制に応じて選べます。
個人事業として運営している場合でも、条件を満たしていれば同じ機能を使えます。規模による制限はありません。
大手と同じ場で、同じ道具を使って戦えるという点は見逃せません。差がつくのは中身だけです。
1商品1ページの原則の例外
Amazonの商品ページは、原則として1つの商品につき1ページです。ブランド全体としての世界観を伝える場が、通常は存在しません。
ブランドストアは、その例外にあたります。複数の商品をまとめて見せ、ブランドとしての一貫性を表現できる唯一の手段です。
検索結果では他社の商品と並びますが、ストア内では自社の商品だけが表示されます。比較されずに見てもらえる場だという点も重要です。
商品ページには他社の広告が表示されることもあります。ストア内であれば、その心配もありません。
自社の商品だけに集中して見てもらえる時間を作れる点は、他の施策では代替できません。
自社サイトを別途作るのと比べて、費用も手間もかかりません。Amazon内で完結する点も利点です。
決済も配送も既存の仕組みをそのまま使えます。自社サイトのように集客から決済まで自前で用意する必要がありません。
その代わり、顧客の情報を自社で持つことはできません。この点は自社サイトとの明確な違いです。
将来的に自社サイトを持つ場合も、ブランドストアで作った素材や文言はそのまま流用できます。無駄にはなりません。
独自のURLを持てる
ブランドストアには専用のURLが割り当てられます。ブランド名を含む短いURLで、外部から直接誘導できます。
商品ページに表示されるブランド名のリンクからもアクセスできます。商品を見た人が、そのブランドの他の商品も見に来られる導線です。
この導線があるだけで、1商品しか知らなかった人に他の商品を届けられます。何もしなくても機能する動線です。
商品を増やしていくほど、この導線の価値は高まります。1商品目から作っておく理由はここにもあります。
SNSやメールから送るリンク先としても使えます。自社サイトを持っていない段階でも、外部への発信先を確保できます。
名刺やパッケージに記載することもできます。実物の商品から次の購入につなげる導線になります。
同梱物に記載すれば、一度買ってくれた人に他の商品を知ってもらえます。費用をかけずにできる施策です。
ただし同梱物の内容には規約上の制限があります。何を書いてよいかは事前に確認してください。
作成できる3つの条件
誰でもすぐに作れるわけではありません。順番に満たしていく必要があります。
商標が前提になる
最初の関門です。Amazon Adsの案内によると、ブランドストアを作成できるのは、商標出願中または登録商標のあるブランドのみとされています(参照:Amazon Ads「ブランドストア」)。
つまり、商標の手続きを進めていなければ土俵に上がれません。自社ブランドを本格的に展開するなら、避けて通れない準備です。
逆に言えば、商標を取っていない出品者はこの場を持てません。持っているだけで差になる仕組みです。
商標にかかる費用は数万円ですが、それによって使える機能は複数あります。単体で判断せず、全体で考えてください。
相乗り対策、商品ページの拡張、ブランドストアの3つがまとめて使えるようになります。費用に見合う内容です。
出願中の段階でも要件を満たすとされているため、登録を待たずに準備を進められる場合もあります。手続きの状況は公式の案内で確認してください。
商標の出願料は3,400円に区分の数へ8,600円を掛けた金額を足したもの、設定登録料は区分の数に32,900円を掛けたものです(参照:特許庁「産業財産権関係料金一覧」)。1区分なら合計44,900円になります。
ブランド登録が必要
商標をもとに、Amazonのブランド登録を済ませる必要があります。ブランドストアは、この登録に付随する特典の一つという位置づけです。
登録すると、相乗り出品への対策や、詳細な販売データの分析といった機能も使えるようになります。ブランドストアだけが目的でなくても、登録する価値はあります。
商品ページを充実させる機能も使えるようになります。ストアと商品ページの両方で世界観を統一できます。
登録ブランドと出品用アカウントの紐付けが完了していないと、作成のボタンが表示されません。この点は事前に確認してください。
ブランド登録には審査があります。申請してすぐに使えるわけではないため、余裕を持って進めてください。
商標の登録番号など、申請に必要な情報を事前に揃えておくと手続きが早く進みます。
大口出品プランが必要
出品プランの条件もあります。月額の費用がかかる大口出品プランに加入していることが前提です。
大口出品プランでは、各種のレポートが取得でき、在庫ファイルを使った商品登録も可能になります。ブランドストア以外の面でも実務的な差があります。
カート獲得の条件を満たせる点も大きな違いです。継続的に販売するなら、いずれにせよ必要になります。
プランの切り替えはいつでも可能です。最新の金額や条件は、公式の案内で確認してください。
自社ブランドを本格的に展開するなら、いずれ必要になるプランです。ブランドストアのためだけの費用とは考えないでください。
月額の費用は固定費です。売上が立つ前に加入すると負担になるため、販売の開始時期と合わせて検討してください。
ブランドストアを持つ効果
作る手間に見合うのかという疑問に、公表されているデータで答えます。
購入の可能性と注文金額に差が出る
Amazon Adsによると、ブランドストアを訪れるブランド新規顧客は、訪れないお客様と比較して商品を購入する可能性が62.7%高いとされています。
この数字は、ストアを見た人と見ていない人を比較したものです。ストアの有無そのものというより、見てもらえたかどうかの差だと理解してください。
だからこそ、作るだけでなく訪問してもらう導線まで設計する必要があります。
さらに、実際に購入する場合、ストアを訪れていないお客様と比較して注文金額が平均で72.3%多くなったとも報告されています。
つまり、買うかどうかと、いくら買うかの両方に影響しているということです。無料で作れる施策としては、費用対効果の高い部類に入ります。
関連する商品をまとめて見てもらえるため、1人あたりの購入点数が増えるという説明もつきます。
新規の顧客ほど、ブランドの背景を知りたいと考えます。その情報を提供できる場があるかどうかが差になります。
聞いたことのないブランドを買う不安を、この場で解消できます。実績の少ない段階ほど効果があります。
相乗り対策と世界観の統一
ブランドストアは、ブランド登録とセットで機能します。登録によって相乗り出品への対策が取りやすくなり、ストアで世界観を示せるという関係です。
商品ページだけでは、他社の商品と並んだときに区別されにくくなります。ストアがあれば、ブランドとしてのまとまりを見せられます。
同じような商品が並ぶカテゴリほど、この差は効いてきます。選ばれる理由を用意できるかが分かれ目です。
利益が残らない構造から抜け出す手段としても機能します。詳しくはAmazonのOEMで「儲からない」は本当?失敗しないための5つの秘訣と成功事例で整理しています。
価格以外で選ばれる理由を示せる場でもあります。値下げ以外の手段を持てるかどうかは、長く続けられるかを左右します。
世界観を統一する考え方については、無印良品に学ぶOEMブランド戦略|世界で選ばれる理由と成功法則で解説しています。
広告の遷移先として使える
実務的に効くのがこの点です。スポンサーブランド広告やディスプレイ広告の遷移先として設定できます。
個別の商品ページに送るより、複数の商品を見てもらえる可能性が高まります。関連する商品をまとめて提示できるためです。
1商品しかない場合でも、その商品の価値を丁寧に伝えられます。ページの制約が少ないためです。
商品ページでは書ききれない開発の背景や、こだわった理由をここで伝えられます。
結果として、1回のクリックから生まれる売上を大きくできます。広告費の効率にも影響します。
広告を使う予定があるなら、ストアは先に作っておいてください。遷移先の選択肢が増えるだけで成果は変わります。
広告の種類によっては、ストアがなければ利用できないものもあります。準備しておく価値があります。
外部からの流入の受け皿になる
SNSやメール、自社サイトからの誘導先としても使えます。自社のECサイトを持っていない段階でも、外部に見せられるページを確保できる点は大きな利点です。
外部から流入した売上に対して、Amazonが還元を行う仕組みが用意されている場合もあります。条件は変わることがあるため、最新の案内を確認してください。
どの経路からの流入かを識別する仕組みも用意されています。発信の効果を数字で確認できる点は大きな利点です。
ブランドストアの作り方
手順自体は難しくありません。3つの段階で進みます。
セラーセントラルから作成する
管理画面にログインし、ストアの管理画面から作成を開始します。ブランド名の横に作成のボタンが表示されていれば、条件は満たしています。
ボタンが表示されない場合は、登録ブランドと出品用アカウントの紐付けが完了していない可能性があります。まずその確認から行ってください。
作業自体はパソコンから行います。画像の差し替えや文言の修正も、同じ画面で完結します。
操作は直感的で、公開前にプレビューで確認もできます。実際に触ってみるのが理解の近道です。
外注することもできますが、最初は自分で作ってみてください。何を伝えるべきかを考える機会になります。
テンプレートとページ構成を決める
用意されたテンプレートから選び、画像、テキスト、動画、商品の一覧といった要素を配置していきます。コードを書く必要はありません。
ページは複数持てます。トップページに加えて、用途別やカテゴリ別のページを作る構成が一般的です。
最初から多くのページを作る必要はありません。1ページで始めて、商品が増えてから広げれば十分です。
作り込みすぎて公開が遅れるより、まず出して改善するほうが早く成果につながります。
公開後も編集できます。完成させてから出すのではなく、育てていく前提で始めてください。
画像のサイズや推奨される仕様は決まっています。用意する素材のサイズを事前に確認しておくと、作業がスムーズに進みます。
素材が揃っていないまま着手すると、途中で止まります。写真と文章を先に用意してから始めてください。
商品撮影の際に、使用イメージやブランドの雰囲気が伝わる写真も一緒に撮っておくと後で使えます。
審査を経て公開される
作成後は申請を行い、審査を経て公開されます。審査には数日かかる場合があるため、販促のタイミングから逆算して準備してください。
公開後の編集も同じ審査を通ります。セール前に内容を差し替えたいなら、その分の日数を見込んでおく必要があります。
規約に沿わない表現が含まれていれば差し戻されます。誇張した表現は避けて作成してください。
根拠のない最上級の表現や、比較による優位性の主張は特に注意が必要です。実際より優れているように見せる表示は法令上も問題になり得ます。
成果につながるストアの作り方
作ることと、成果を出すことは別です。構成の考え方を4つ挙げます。
買う理由を最初に置く
最も重要な点です。訪れた人が最初に目にする位置に、このブランドを選ぶ理由を置いてください。
誰のどんな悩みを解決するのか、他とどう違うのかを一文で示します。ここが曖昧だと、下までスクロールされません。
コンセプトが定まっていないと、この一文は書けません。商品の設計段階から考えておくべき部分です。
書けないと感じたなら、それはブランドの方向性が固まっていないというサインです。作る前に整理してください。
この一文は、商品ページの説明文や広告の文言にもそのまま使えます。一度決めれば長く効きます。
商品を並べるだけにしない
よくある失敗が、商品の一覧を貼っただけのページです。それなら検索結果と変わらず、わざわざ訪れる意味がありません。
使い方の提案、素材や製法の説明、開発の背景といった、商品ページには載せきれない情報を置いてください。
動画も使えます。使用している場面が伝われば、購入後のイメージが具体的になります。
レビューで多かった質問への答えを載せておくのも有効です。購入前の不安を先回りして解消できます。
自社商品を作る過程で得た情報は、そのままここで使えます。開発と発信は分けて考えないでください。
導線を絞る
情報を詰め込みすぎると、どこを見ればいいのか分からなくなります。主力の商品を明確にし、そこへ向かう導線を太くしてください。
ページ数を増やすことが目的ではありません。少ないページでも、迷わず商品にたどり着ける構成のほうが結果は出ます。
スマートフォンから見たときの見え方も必ず確認してください。多くの購入者はその画面で判断します。
パソコンで作り込んだ結果、スマートフォンでは文字が読みにくいという事態はよく起こります。
データを見て改善する
公開して終わりにしないでください。訪問数、滞在の状況、商品ページへの遷移といった指標を確認できます。
見られているのに商品ページに進んでいないなら、訴求か導線に原因があります。1つずつ変えて反応を見てください。
そもそも訪問がないなら、導線の問題です。広告や外部からの誘導を見直してください。
公開直後は訪問が少なくて当然です。数か月単位で数字を見ながら調整していってください。
外部から誘導する場合は、どの経路からの流入かを識別できる仕組みも用意されています。効果のある発信先が分かれば、力の入れどころも定まります。
作る前に押さえておくこと
最後に、着手する前に確認しておきたい3点です。
商品が1つでも作れる
多くの商品を揃えてからでなければ作れないと考える方がいますが、条件を満たしていれば商品が1つでも作成できます。
むしろ商品が少ない段階のほうが、ブランドとして何を伝えるかを整理しやすくなります。増えてから作ると、まとまりを欠いた構成になりがちです。
1商品でも、その背景や使い方を丁寧に伝えれば十分な内容になります。量より中身です。
最初の商品を出す段階から、その後の展開を見据えて設計してください。
商標の取得には時間がかかる
前提条件である商標は、出願から登録まで半年から1年程度かかります。販売を始めてから着手すると、その間はストアを持てません。
商品名が決まった時点で、既に登録されていないかを検索し、問題なければ出願まで進めてください。商品開発と並行して動かすのが現実的です。
商品の選び方から進める場合は、Amazon OEMとは?商品選定から仕入れまでのルートを物販未経験者向けに解説を参考にしてください。
作って終わりにしない
公開しただけでは誰も訪れません。商品ページのブランド名リンク、広告の遷移先、SNSからの誘導といった導線を用意して初めて機能します。
更新も必要です。季節の提案や新商品の追加を反映していないストアは、放置されている印象を与えます。
年に数回でも構いません。手を入れ続けているかどうかは、見る人に伝わります。
価格競争から抜け出す考え方はAmazonOEMは中国セラーが50%を占めている?日本人セラーが勝ち続けるための3つの戦略に、長く続く形の作り方はAmazon OEMで資産形成をめざす!初心者向けに”続く仕組み”を作る方法にまとめています。
まとめ|商標を取ったら最初に作る
Amazonブランドストアは、ブランド登録を済ませた出品者が無料で作れるブランド専用のページです。1商品1ページが原則のAmazonで、ブランド全体の世界観を表現できる唯一の手段でもあります。
作成には、商標出願中または登録商標があること、ブランド登録を済ませていること、大口出品プランに加入していることの3つが必要です。
公表されているデータでは、ストアを訪れた新規顧客は購入の可能性が62.7%高く、注文金額も平均で72.3%多いとされています。無料で作れる施策としては効果が大きい部類です。
まずは扱っているブランド名で商標を検索し、登録の状況を確認するところから始めてください。商標の手続きが済めば、その先の導線は一気に整います。




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