アリババでOEMを依頼する方法|1688との使い分けと発注の流れ5ステップ

自社商品を作ろうと調べていくと、必ず出てくるのがアリババです。ただ、アリババという言葉が2つの異なるサイトを指していることは、あまり知られていません。
国際向けのAlibaba.comと、中国国内向けの1688.comでは、言語も決済も価格もまったく違います。この違いを理解しないまま始めると、想定外の手間と費用に直面します。
本記事では、2つのプラットフォームの違いを整理したうえで、OEM発注の流れ、最小ロットの交渉、失敗を避けるための確認事項、そして代行業者を使う判断までを解説します。
| 確認したいポイント | 結論 | 詳細 |
|---|---|---|
| アリババでOEMできる? | できる | 製造業者やOEMメーカーが直接出品しており、依頼が可能です。 |
| どちらを使う? | 最初はAlibaba.com | 英語対応で日本から直接取引でき、決済手段も整っています。 |
| 1688との違いは? | 価格と言語の壁 | 1688は安い一方で中国語のみ、決済も発送も中国国内が前提です。 |
| 最小ロットは下げられる? | 交渉の余地がある | 将来の発注量や単価の調整を材料に相談できます。 |
この記事でわかること
- Alibaba.comと1688.comの違いと使い分け
- OEM発注の流れ5ステップ
- 最小ロットを交渉するときの材料
- 失敗を避けるための5つの確認事項
- 代行業者を使う判断と手数料の構造
アリババでOEMはできるのか
まず前提を確認します。
アリババには2つのプラットフォームがある
日本でアリババから仕入れると言うとき、実際には2つのサイトのどちらかを指しています。国際向けのAlibaba.comと、中国国内向けの1688.comです。
どちらもアリババグループが運営する企業間取引のプラットフォームですが、想定している利用者が違います。前者は世界中の事業者、後者は中国国内の事業者です。
1688.comは製造業者や卸問屋が直接出品しており、中間のマージンが乗らない価格で探せる点が特徴です。
取り扱いの規模も大きく、衣類から家電部品まで幅広い分野をカバーしています。
この違いを理解しないまま始めると、言語や決済で行き詰まります。
なお、消費者向けのタオバオや天猫は用途が異なります。卸やOEMの主戦場ではありません。
タオバオで少量を取り寄せて市場を確かめ、その後にアリババで本格的に発注するという流れを取る事業者もいます。
どちらもOEMに対応する工場がいる
結論として、どちらのプラットフォームでもOEMの依頼は可能です。製造業者や卸問屋、OEMメーカーが直接出品しているためです。
中間の業者を挟まないため、工場出荷に近い価格で交渉できます。国内の商社を経由するより原価を抑えられるのは、この構造によるものです。
その代わり、品質の管理や納期の交渉は自分で行う必要があります。安さと手間は表裏の関係にあります。
この手間を引き受けられるかどうかが、続けられるかを分けます。
取り扱われている分野も広く、衣類、雑貨、美容用品、プラスチック製品、電子部品まで揃っています。
Alibaba.comで見つかる商品の多くは、1688.comにも同じサプライヤーが出品しています。
仕入れとOEMは別の話
混同されやすい点です。既製品をそのまま仕入れることと、自社の仕様で作ってもらうことは別の作業になります。
既製品の仕入れなら、商品を選んで注文するだけです。OEMでは、仕様の伝達、サンプルの確認、量産の管理という工程が加わります。
最小の発注量も上がり、納期も長くなります。準備の期間を含めて計画してください。
打ち合わせから納品まで数か月かかることも珍しくありません。販売開始の時期から逆算して動いてください。
その分だけ時間も費用もかかりますが、同じ商品を扱う競合が現れないという利点があります。
同じ商品ページに他の出品者が並ばなくなれば、価格の決定権も持てます。
自社商品を持つ意味については、中国輸入OEMはオワコン?儲からない?穴場副業で稼げる理由を解説でも整理しています。
Alibaba.comと1688.comの違い
選ぶ前に、4つの観点で比較しておきます。
言語と決済
最も大きな違いです。Alibaba.comは英語に対応しており、日本から直接アカウントを作って取引できます。クレジットカードや国際送金にも対応しています。
一方の1688.comは中国語のみです。決済も中国の手段が前提で、発送先も中国国内に限られます。日本から直接使うには壁があります。
翻訳ツールで画面を読むことはできますが、交渉やトラブル対応となると難易度は上がります。
なお、Alibaba.comには日本語に対応した版も用意されています。商品やサプライヤーは共通で、画面やサポートが日本語化されている形です。
英語に不安がある場合は、まずこちらから始めるという選択もあります。
慣れてきたら英語版に移り、より多くのサプライヤーにアクセスするという進め方も取れます。
価格差
1688.comのほうが安くなります。同じ商品でも、Alibaba.comのほうが1.2倍から1.5倍程度高くなることがあります。
中国国内向けのプラットフォームであるぶん、国際取引を前提としたマージンが乗っていないためです。
商品によっては3割から5割ほど安く仕入れられるケースもあります。この差が代行業者を使う動機になります。
ただし為替の変動でも原価は動きます。数円の差でも積み重なれば利益に影響します。
ただし、この価格差は代行業者への手数料や国内配送の費用で相殺されることもあります。総額で比較してください。
少量の発注では、手数料の割合が大きくなります。規模によって有利な選択は変わります。
数量が増えるほど、1688の価格差が効いてきます。段階に応じて使い分けてください。
最小発注量
サプライヤーによって幅があります。1個から受け付ける業者もあれば、数百個や数千個からという業者もあります。
OEMになると、既製品の仕入れより最小ロットは上がるのが一般的です。仕様を変える工程が入るためです。
特に金型や製版が必要な仕様では、初回の費用も加わります。数量で割って1個あたりに落とし込んで判断してください。
商品ページに記載された数量が絶対とは限りません。この点は後ほど詳しく説明します。
まずは既製品を少量仕入れて市場を確かめ、その後にOEMへ進むという順番も取れます。
どちらを選ぶか
初めて取り組むなら、英語で直接やり取りできるAlibaba.comから始めるのが現実的です。決済も物流も自分で完結できます。
慣れてきて、コストを詰める段階になったら1688.comを代行業者経由で使うという順番になります。安さだけで最初から1688を選ぶと、言語と決済で止まります。
段階を踏むほうが、結果的に早く進みます。
最初から最安を狙うより、まず1回やり切る経験を積むほうが価値があります。
つまり、OEMやブランド開発ならAlibaba.com、コストを抑えた小ロット調達なら代行業者経由で1688.comという使い分けです。
両方を併用して、リサーチは1688、発注はAlibaba.comという使い方をする事業者もいます。
同じ商品が両方に出品されていることも多いため、価格の比較にも使えます。
OEM発注の流れ5ステップ
実際の進め方を5つの段階に分けて説明します。
STEP1|商品と工場を探す
作りたい商品に近い既製品を扱っている工場を探します。検索して出てきた業者のうち、認証を受けているサプライヤーを優先してください。
出品者が工場なのか、卸業者なのかも確認します。工場と直接やり取りできれば、仕様の変更にも柔軟に対応してもらえます。
卸業者を経由すると、仕様の要望が工場まで正確に伝わらないことがあります。
取引の実績や、対応している認証の種類も判断材料になります。
作りたい商品と近い実績があるかも確認してください。まったく異なる分野の工場では、意図が伝わりにくくなります。
STEP2|問い合わせて見積もりを取る
候補が見つかったら連絡します。最低でも3社に問い合わせて比較してください。1社だけでは、提示された条件が妥当かどうか判断できません。
伝えるべきは、作りたい商品の内容、希望する数量、納期、ロゴやパッケージの有無です。曖昧な問い合わせには曖昧な返事しか返ってきません。
参考にしたい既製品の画像やリンクを添えると、認識のずれが減ります。
数量は複数の水準で聞いてください。100個の場合と500個の場合で単価がどう変わるかが分かります。
返信の速さや説明の丁寧さも見てください。この段階の対応が、その後のやり取りの質を表します。
質問への回答が曖昧な相手は、量産の段階でも同じ対応になります。
この段階で3社に絞り込めれば、その後の判断も速くなります。
やり取りは記録に残してください。条件の食い違いが起きたときの材料になります。
STEP3|サンプルを確認する
量産の前に必ず実物を確認します。写真と実物が違うことは珍しくありません。サンプル代と送料はかかりますが、この工程は省略できません。
複数個を取り寄せて、ばらつきも見ておいてください。1個だけでは品質の安定度が分かりません。
複数の工場から同時にサンプルを取り寄せて比較する方法も有効です。
サンプル代は数千円から数万円です。量産で失敗する損失に比べれば安く済みます。
気になる点があれば、この段階で伝えて修正してもらいます。量産に入ってからでは変更できません。
サンプルは必ず手元に残しておいてください。量産品と比べる基準になります。
撮影用の素材としても使えます。販売ページの準備を並行して進められます。
STEP4|仕様を書面で固める
最も重要な工程です。口頭やチャットでの合意は、後のトラブルの原因になります。寸法、素材、色、印刷の位置、包装の仕様をすべて書面にしてください。
承認したサンプルの写真も添えておくと、認識のずれを防げます。届いたものが違うと言うだけでは、証明になりません。
翻訳した文書と原文の両方を残しておくと、解釈の食い違いも防げます。
不良の基準や、その場合の対応も決めておいてください。
納期と支払いの条件も文書に含めます。前金の割合や残金の支払時期を曖昧にしないでください。
この工程を丁寧に行うほど、量産後のトラブルは減ります。時間をかける価値がある部分です。
STEP5|量産と検品
発注後は、出荷前に検品を入れます。第三者による出荷前検品を依頼すれば、届いてから不良に気づく事態を防げます。
費用はかかりますが、不良品を輸入してから対応するより安く済みます。往復の送料と時間を考えれば、保険として合理的な支出です。
国際輸送を経て届いた後では、返品も交換も現実的ではありません。
往復の送料と時間を考えれば、事前に確認するほうがはるかに安く済みます。
初回は特に厚めに検品してください。取引を重ねて信頼できると分かってから、頻度を調整すれば構いません。
量産品の品質がサンプルと違うことは実際に起こります。承認したサンプルと照らして確認してもらってください。
最小ロットの交渉
提示された数量が多すぎる場合の対処です。
記載された数量は交渉できる
商品ページに書かれた最小発注量は、あくまで目安であり、交渉の余地があることが多いと考えてください。
工場側も、新規の取引先を確保したいという事情があります。条件次第で応じてもらえる場合があります。
ただし、無条件に下げてほしいという伝え方では通りません。相手にとっての利点を示す必要があります。
まず聞いてみることです。断られても失うものはありません。
複数社に同じ相談をすれば、応じてくれる工場が見つかることもあります。
断られた理由を聞いておくと、次の交渉に活かせます。
3つの交渉材料
闇雲に頼んでも通りません。将来の発注量を示す、単価を上げる、バリエーションをまとめるという3つが使えます。
1つめは、テスト販売がうまくいけば継続的に発注する意思を伝える方法です。工場にとっては将来の売上になります。
2つめは、少量なら単価が上がることを受け入れる方法です。工場の手間を金額で埋める形になります。
3つめは、色やサイズの違いを合算して最小ロットを満たす方法です。1種類あたりの数量は減らせます。
工場にとっては同じ生産ラインで作れるため、受け入れられやすい提案になります。
自分にとっても、どの色やサイズが売れるかを試せる利点があります。
無理に下げない判断も必要
交渉が通らない場合、その工場は今の自分に合っていないという判断もあります。
小ロットに対応する工場を探し直すほうが早いこともあります。無理に条件を飲んで大量に作り、売れずに在庫が残るより安全です。
工場は無数にあります。1社にこだわる必要はありません。
売れる確証を得てから数量を増やすという順番は、どの段階でも変わりません。
初回の発注は、赤字になっても事業が続けられる金額に収めてください。
失敗を避ける5つのポイント
よくあるトラブルとその予防策です。
複数社に問い合わせる
繰り返しになりますが重要です。最初に返信をくれた1社にそのまま決めてしまうのは危険です。
価格も納期も対応の質も、比較して初めて判断できます。3社以上から見積もりを取ってください。
極端に安い見積もりには理由があります。品質や納期に問題がある可能性を疑ってください。
相場から大きく外れた条件は、後から追加の請求が来ることもあります。
プラットフォーム内の保護を使う
取引を保護する仕組みが用意されています。プラットフォーム内での決済を使えば、商品が届かない場合や仕様と違う場合に対応してもらえる可能性があります。
プラットフォームの外での直接送金を持ちかけられたら、応じないでください。安くなると言われても、保護が受けられなくなります。
こうした誘いを持ちかけてくる相手は、その時点で取引先として避けるべきです。
やり取りの記録もプラットフォーム内に残しておいてください。
トラブルが起きたときの証拠になります。個人的な連絡手段だけでやり取りしないでください。
出荷前の検品を入れる
前述のとおりです。第三者による検品は、不良品を輸入するリスクを大きく下げます。
自分で現地に行けない以上、目を代わりに用意する必要があります。この費用を惜しむと、より大きな損失につながります。
検品の項目も事前に指定してください。何を見るかを決めておかないと、形だけの確認になります。
寸法、色、動作、外観の傷など、確認してほしい点を具体的に伝えてください。
権利関係を確認する
見落とされやすい点です。作ろうとしている商品が、他社の商標や意匠を侵害していないかを確認してください。
特許情報プラットフォームを使えば、誰でも無料で商標や意匠を検索できます(参照:INPIT「特許情報プラットフォーム(J-PlatPat)」)。
工場が提示してきたデザインに、他社の権利物が含まれていることもあります。そのまま使わないでください。
画像や説明文も同様です。提供された素材をそのまま使うと、後から申し立てを受ける可能性があります。
自分のブランド名も、登録されていないかを事前に調べておいてください。
自社商品を出すなら、自分でも商標を取得しておくことをおすすめします。模倣や相乗りを止められます。
輸入できる商品か確認する
商品によっては、輸入の段階で許可や承認が必要になります。食品、化粧品、医薬品、電気製品などは、それぞれ根拠となる法律で規制されています。
輸入の手続きの概要は税関が公開しています(参照:税関「輸入通関手続の概要」)。該当するかどうかは、扱う商品を決める段階で確認してください。
作ってから輸入できないと分かれば、全額が損失になります。
判断に迷う場合は、税関の相談窓口や所管の省庁に問い合わせてください。
輸入に伴うリスクの全体像は、「中国輸入はやめとけ」は本当?現実に潜むリスクと賢く稼ぐためのポイントを解説でも整理しています。
代行業者を使うという選択
1688.comを使う場合や、手間を減らしたい場合の選択肢です。
1688を使うなら実質的に必須
中国語のみで、決済も発送も中国国内が前提である以上、日本から直接使うのは現実的ではありません。
代行業者を通せば、注文、支払い、検品、日本への転送までを任せられます。言語の壁も越えられます。
日本語に対応した1688向けのサービスも登場しています。選択肢は以前より広がっています。
Alibaba.comを使う場合でも、検品や交渉を任せるという使い方はできます。
自分でどこまでやるかは、時間と費用のどちらを優先するかで決めてください。
本業がある段階では、任せられる部分は任せたほうが続きます。
ただし丸投げにはしないでください。工程を理解していなければ、業者の提案が妥当かも判断できません。
手数料の構造を確認する
費用は複数の要素に分かれます。代行手数料、中国国内の送料、国際送料、検品費、オプションの作業費が一般的です。
代行手数料は商品代に対する割合で設定されていることが多く、固定額の場合もあります。安く見える業者でも、他の項目で回収している場合があります。
見積もりは総額で比較してください。商品代だけを見ても意味がありません。
国際送料は重量と容積で決まります。商品のサイズによって、総額の順位が入れ替わることもあります。
選ぶときの基準
価格だけで選ばないでください。対応の速さ、日本語の通じやすさ、検品の内容、トラブル時の対応が重要になります。
OEMを依頼するなら、工場との交渉を代行してくれるかも確認してください。単純な代理購入しか行わない業者もあります。
仕様書の翻訳や、量産の進捗確認まで対応してもらえるかも聞いておいてください。
選び方については、【失敗しない】中国輸入代行のおすすめ5社徹底比較!選び方から料金まで解説で詳しく整理しています。
まとめ|Alibaba.comから始めて段階的に
アリババでのOEMは可能ですが、まずAlibaba.comと1688.comの違いを押さえてください。英語で直接取引できるAlibaba.comから始め、コストを詰める段階で代行業者経由の1688.comに移るのが現実的な順番です。
発注の流れは、工場を探す、複数社から見積もりを取る、サンプルを確認する、仕様を書面で固める、量産と検品という5つの段階に分かれます。
最も重要なのは4つめの書面化です。口頭やチャットでの合意はトラブルの原因になります。承認したサンプルの写真を添えて、寸法や素材まで文書に残してください。
まずは作りたい商品に近い既製品を検索し、3社に問い合わせてみてください。返ってくる見積もりの幅を見れば、相場と自分の立ち位置が分かります。市場と商品の決め方はAmazon OEMとは?商品選定から仕入れまでのルートを物販未経験者向けに解説で解説しています。




コメント