eBay輸出はやめとけ?言われる理由と2026年の環境変化を踏まえた判断基準

海外に商品を売る手段としてeBayを検討すると、やめとけ、儲からないという言葉が目に入ります。実際に撤退した人の声も多く、始めるべきか迷っている方は少なくないはずです。

特に2025年以降、米国向けの取引を取り巻く制度は大きく変わりました。以前の情報のまま始めると、想定していた利益が出ない可能性があります。

本記事では、やめとけと言われる理由を分解したうえで、直近で起きた制度の変化、それでも続けている人がいる理由、そして始める前に確認すべき点を整理しました。

確認したいポイント結論詳細
なぜやめとけと言われる?手数料と関税の負担が重い販売手数料に加えて送料と関税がかかり、利益が残りにくい構造です。
環境は変わった?2025年8月に大きく変わった米国の少額免税制度が廃止され、価格にかかわらず関税が発生します。
今から始めるのは無理?条件を満たせば成立する関税を織り込んだ計算ができ、情報を追い続けられるなら選択肢に入ります。
他に選択肢はある?国内販売や自社ブランド為替や制度の影響を受けにくい形から始めるという判断もあります。

この記事でわかること

  • eBay輸出がやめとけと言われる6つの理由
  • 2025年以降に起きた関税と配送の制度変更
  • それでも成立している人がいる理由
  • 始める前に確認すべき5つの条件
  • eBay以外に取れる選択肢
目次

「eBayはやめとけ」と言われる6つの理由

まず、なぜそう言われるのかを分解します。原因が分かれば、避けられるものと避けられないものの区別がつきます。

理由1|手数料の種類が多い

最初につまずくのがここです。出品手数料、落札手数料、決済に関する手数料、広告を使う場合の費用など、複数の手数料が重なります。

落札手数料はカテゴリやストア契約の有無によって変わります。売れた金額の1割前後が差し引かれる前提で計算しておく必要があります。

手数料は改定されることもあります。最新の料率は必ず公式のヘルプで確認してください。

日本のフリマアプリの感覚で価格を決めると、差し引き後にほとんど残らないという事態になります。

広告機能を使えばさらに費用が乗ります。成果報酬型で売れたときだけ発生する仕組みですが、その分も原価に含めて計算してください。

出品数が一定を超えるとストア契約が必要になる場合もあります。月額の固定費が発生する点も見込んでおいてください。

理由2|送料が高く変動する

国際配送はそれ自体が大きなコストです。商品の重さやサイズによっては、送料が商品代金を上回ることもあります。

燃料費や為替の影響も受けるため、料金は一定ではありません。仕入れた時点と発送する時点で条件が変わることもあります。

配送方法によって日数と料金は大きく変わります。安い方法は届くまでが長く、その間に問い合わせが来ることもあります。

送料を購入者負担にすれば売れにくくなり、無料にすれば利益が削られます。この調整が難しい点も負担になります。

軽くて小さい商品を選ぶという対策はありますが、そうすると扱える商材が限られます。

梱包の資材も海外向けは頑丈なものが必要になります。輸送中の破損は返品につながるためです。

理由3|関税の環境が大きく変わった

最も影響が大きいのがこれです。米国では長く、輸入申告額が800ドル以下の少額貨物について関税を免除する制度がありました。

ところが大統領令により、米国東部時間2025年8月29日午前0時1分以降に通関する貨物から、この制度の適用が停止されました(参照:ジェトロ「米デミニミスルール廃止を受け、eBayでの越境EC事業者に販売戦略見直しの動き」)。

つまり、価格の大小にかかわらず関税が発生する形になりました。以前の感覚で利益計算をしていると、想定が大きく崩れます。

あわせて、価格の大小に関係なく通常の輸入手続きと同じ書類の作成が求められるようになりました。作業の負担も増えています。

関税が原因で購入者が受け取りを拒否する、知らなかったと低評価を付けられるといったトラブルも起きています。

受け取りを拒否されれば商品は返送され、往復の送料が損失になります。1件でも発生すれば、数件分の利益が消えます。

購入前に関税の可能性を説明しておくことで、こうしたトラブルはある程度防げます。商品説明に明記しておいてください。

理由4|返品と評価のリスク

海外の購入者を相手にする以上、返品の要求や評価に関するトラブルは避けられません。

商品が届かない、状態が違うといった申し立てがあれば、対応に時間を取られます。返送にかかる送料も負担になります。

国際輸送では追跡できない期間も生じます。届いていないという連絡を受けても、すぐには確認できないことがあります。

評価が下がるとその後の販売にも響きます。実物を見られない取引である以上、説明の丁寧さが結果を左右します。

中古品を扱う場合は特に注意が必要です。傷や使用感を写真で示し、状態を正確に書くことがトラブルを減らします。

理由5|英語でのやり取りが必要

商品説明も購入者とのやり取りも英語です。翻訳ツールを使えば対応できますが、微妙なニュアンスの行き違いは起こります。

クレーム対応の場面では、正確に意図を伝える必要があります。ここを負担に感じてやめる人は少なくありません。

時差があるため、返信のタイミングも読みにくくなります。すぐに解決しないやり取りが続くこともあります。

本業がある状態では、この対応時間の確保も課題になります。夜間や早朝に作業する形が続けられるかを考えてください。

理由6|アカウント停止のリスク

規約に違反すればアカウントが制限されます。積み上げてきた評価が一瞬で使えなくなるリスクは、プラットフォームに依存する販売に共通する問題です。

規制対象の商材を扱ってしまった、権利者から申し立てを受けたといった理由でも起こります。ルールの確認は継続的に必要です。

この点は国内のプラットフォームでも同じです。ただし海外向けは規制の種類が多く、把握すべき範囲が広くなります。

売上をひとつの販路に集中させるほど、この影響は大きくなります。分散を考えておく価値があります。

2025年以降に起きた制度の変化

やめとけと言われる背景には、この数年の環境変化があります。以前の情報のまま判断しないでください。

デミニミス制度の廃止

前述のとおり、米国の少額免税制度は2025年8月29日に適用が停止されました。これまで免税で通っていた価格帯の商品にも、関税と通常の輸入手続きが必要になりました。

日本産の商品については、適用される税率が一定の水準に引き上げられる扱いになっています。品目によって具体的な率は異なります。

自分が扱う品目にどの税率が適用されるかは、分類コードごとに調べる必要があります。ここを曖昧にしたまま価格を決められません。

この変更を受けて、米国向けの郵便物の取り扱いを停止する動きも一時的に広がりました。配送手段の選択にも影響が出ています。

もともと2027年に予定されていた廃止が前倒しされたという経緯もあります。準備の期間が短かったことも混乱の一因でした。

制度の変更が短期間で決まる可能性がある分野だという点は、覚えておく価値があります。

DDPの必須化とセラー負担

制度変更に伴い、配送の条件も変わりました。ジェトロによると、デミニミスルールの廃止後、eBayなど一部のECプラットフォームは配送要件としてDDPを必須にしたとされています(参照:ジェトロ「複雑化する米国関税措置、輸入申告の誤りに注意」)。

DDPとは関税込みで届ける条件を指します。つまり関税の支払いが出品者の負担になるということです。

購入者に請求できないぶん、価格に織り込んでおかなければ利益が消えます。ここを理解せずに出品すると、売れるたびに損失が出ます。

物流事業者側でもDDPを必須としているケースがあります。配送方法を選ぶ段階で条件を確認してください。

申告の誤りによるトラブル

手続きが複雑になった結果、新しい問題も生まれています。同じジェトロの記事では、商品分類のコードの誤申告に関する相談が複数寄せられていると報告されています。

本来より高い税率が適用されていたケースもあり、想定より高額な引き落としに気づいて確認したところ誤りが判明した、という流れです。

複数の追加関税が重ねて適用されていた例も報告されています。請求の内容は必ず確認してください。

扱う商品の数や種類が多いほど、この作業の負担は重くなります。原産国と分類コードを正確に把握する必要があります。

分類を誤れば、通関の遅延や罰則につながる可能性もあります。扱う商材を絞るほうが、この負担は軽くなります。

多品目を薄く広く扱う戦略は、以前より成立しにくくなりました。1つの分野に絞る判断が必要になっています。

今後も変わり続ける前提で考える

制度は動き続けています。特定の商材について事前の電子申告が義務化される、他の地域でも関税の枠組みが見直されるといった動きも進んでいます。

つまり、一度覚えれば終わりという分野ではありません。情報を追い続けられるかどうかが、続けられるかどうかを分けます。

この負担を許容できるかどうかが、最初に判断すべき点です。作業が好きでなければ続きません。

逆に言えば、制度を理解して正しく運用できる人にとっては、参入障壁として働きます。

本記事の内容も執筆時点のものです。実際に取り組む際は、ジェトロや税関の最新情報を必ず確認してください。

数年前に書かれた解説記事をそのまま参考にするのは危険です。日付を確認する習慣をつけてください。

教材や講座を検討する場合も、内容が現在の制度に対応しているかを確認してください。古い前提のまま教えているものもあります。

それでも続けている人がいる理由

環境が厳しくなった一方で、成果を出している人もいます。その理由を3つ挙げます。

日本の商品には海外需要がある

前提として、需要そのものは存在します。日本製のカメラ、時計、玩具、趣味の商品などには、国内では考えられない価格が付くことがあります。

国内で在庫として滞留している商品が、海外では探されているという状況は珍しくありません。この差が利益の源泉です。

日本国内の相場を知っていること自体が、海外市場では優位性になります。この点は日本にいる強みです。

需要がある以上、条件を整えれば成立します。問題は、その条件が以前より厳しくなったという点です。

日本国内でしか手に入らない商品や、生産が終了した商品には特に価値がつきます。この構造自体は変わっていません。

海外の購入者は、日本から届くことに一定の信頼を置いています。丁寧な対応を続ければ、リピートにもつながります。

国内より高く売れる商品がある

関税と送料を上乗せしても成り立つのは、国内価格と海外価格の差が大きい商品に限られます。

薄利の商品で数をこなす形は成立しにくくなりました。1点あたりの利益が厚い商品に絞ることが前提になります。

件数が減れば、通関の手続きや顧客対応の負担も減ります。少数を丁寧に扱う形のほうが、現在の環境には合っています。

薄利多売から少数高利益へ切り替えられるかどうかが、続けられるかを分けます。

利益が残らない構造の見直し方については、AmazonのOEMで「儲からない」は本当?失敗しないための5つの秘訣と成功事例でも整理しています。

参入者が減れば競合も減る

制度が複雑になれば、対応できない出品者は退場します。残った側から見れば、競合が減るという側面もあります。

やめとけという声が増えている時期は、参入する人も減っている時期です。手間を引き受けられるなら、条件は悪くありません。

制度に対応できる体制を先に作っておけば、他の出品者との差になります。面倒な作業ほど参入障壁になります。

ただしこれは、正確な作業を続けられることが前提です。安易に飛び込む理由にはなりません。

環境が厳しい時期に始めるなら、最初から少額で試して手応えを確認してください。いきなり在庫を積むのは避けるべきです。

手元の不用品から出品すれば、仕入れ費用をかけずに一連の流れを確認できます。まずそこから試すのが安全です。

始める前に確認すべき5つのこと

検討する場合は、次の5点を自分に問いかけてください。

利益計算に関税を織り込めるか

最も重要な項目です。商品代、仕入れ値、販売手数料、決済手数料、国際送料、関税、梱包資材をすべて差し引いた後で利益が残るかを計算してください。

関税は品目によって率が異なります。扱う商品の分類コードを調べ、適用される税率を確認したうえで価格を決める必要があります。

この計算ができない状態で出品すると、売れるたびに損失が出る構造になります。

為替の変動も見込んでおいてください。円高に振れれば、円建ての手取りは減ります。

数円の変動で赤字になる設計は危険です。余裕を持った利益率で組んでおいてください。

英語でのやり取りに対応できるか

日常的なやり取りは翻訳ツールで対応できます。問題になるのは、返品交渉やクレーム対応など、意図を正確に伝える必要がある場面です。

自分が対応できる範囲かどうかを、始める前に判断してください。

定型的なやり取りは例文を用意しておけば負担が減ります。実際に発生してから慌てないよう、事前に準備しておいてください。

翻訳ツールに頼る場合も、送る前に逆翻訳して意味が通るかを確認する習慣をつけてください。

資金の回収期間に耐えられるか

国際配送は国内より時間がかかります。仕入れて発送し、購入者に届いて入金されるまでの期間が長く、その間は資金が動きません。

通関の手続きが複雑になったことで、リードタイムがさらに延びたという声もあります。資金に余裕がない段階では厳しい条件です。

返品が発生すればさらに回収は遅れます。少ない資金で回転を上げる戦略は取りにくくなっています。

必要な資金の考え方については、中国輸入OEMはオワコン?儲からない?穴場副業で稼げる理由を解説でも整理しています。

規制対象の商材を扱っていないか

輸出入には、それぞれの国の規制があります。特定の商品については、輸入する側の国で事前の申告や適合の証明が求められる場合があります。

手続きを怠れば、通関で止まる、罰則の対象になるといったリスクがあります。扱う商材を決める段階で確認してください。

玩具や子供向け製品などは、事前の電子申告が求められる方向で制度が整備されています。対象になりそうな商材は特に注意が必要です。

国内でも輸出入に関わる法令があります。判断に迷う場合は税関や所管の省庁に確認してください。

中古品を仕入れて売る場合は、国内側で古物商許可が必要になることもあります。販売先が海外でも、仕入れの実態で判断されます。

無許可のまま営業すれば罰則の対象です。海外向けだから関係ないという判断はしないでください。

情報を追い続けられるか

制度が動き続ける分野である以上、最新の情報を確認し続ける必要があります。これを負担に感じるなら、他の販路のほうが向いています。

ジェトロのビジネス短信のように、公的機関が発信する情報を定期的に見る習慣をつけておくと安心です。

プラットフォーム側からの通知も見落とさないでください。配送要件や手数料の変更は、こうした形で告知されます。

通知を読まずに運用を続けると、気づかないうちに条件が変わっていたということが起こります。

eBay以外に取れる選択肢

海外向けだけが物販ではありません。他の道も検討したうえで判断してください。

国内販売という選択

国内で完結する販売なら、関税も為替も国際配送も関係ありません。制度の変更に振り回される要素が大幅に減ります。

市場規模も十分にあります。国内のEC市場は拡大を続けており、参入する余地は残っています。

日本語でやり取りできるぶん、顧客対応の負担も軽くなります。時差もありません。

配送も国内で完結するため、到着までの日数が短く、資金の回収も速くなります。

まずは国内で流れを覚えてから、海外へ広げるという順番も現実的です。

出品、梱包、発送、顧客対応という基本の流れは共通しています。国内で身につけたことは、そのまま海外向けにも使えます。

国内で利益が出せない状態で海外に挑んでも、条件が厳しくなるだけです。順番を守ってください。

自社ブランドという方向

既存の商品を仕入れて売る形は、扱う人が増えるほど価格が下がります。自分の商品を持てば、同じ商品ページに他の出品者が並ばなくなり、価格の決定権を持てます。

いきなり新規開発をする必要はありません。既製品にロゴやタグを付ける、仕様を変えるといった小さな差別化からでも始められます。

自分の商品であれば、相乗り出品もありません。価格を守れる状態は、利益率に直結します。

国内で自社ブランドを確立してから、海外へ展開するという順番も取れます。基盤があるほど、環境の変化にも耐えられます。

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併用という考え方

どちらか一方に絞る必要もありません。国内で安定した売上を作りながら、海外向けは利益の厚い商品だけを扱うという形も取れます。

1つの販路に依存しない体制は、制度変更や規約変更に対する備えにもなります。

海外向けを完全にやめる必要はありません。比重を調整しながら、環境に合わせて動かせる形が理想です。

制度が落ち着けば再び有利になる可能性もあります。撤退ではなく、比重を下げるという選択肢も持っておいてください。

長く続く形をどう作るかについては、Amazon OEMで資産形成をめざす!初心者向けに”続く仕組み”を作る方法で解説しています。

まとめ|条件が厳しくなったのは事実

eBay輸出がやめとけと言われる背景には、手数料の多さ、送料の高さ、返品や英語対応の負担といった以前からの理由に加えて、2025年8月の少額免税制度の廃止という大きな変化があります。

価格にかかわらず関税が発生し、配送条件も出品者の負担が重くなりました。以前の情報のまま利益計算をすれば、確実に想定が崩れます。

それでも、日本の商品に対する海外の需要は存在します。関税を織り込んだ計算ができ、情報を追い続けられるなら選択肢に入ります。まずは扱いたい商品の分類コードと税率を調べ、実際に利益が残るかを計算してみてください。

なお制度は変わり続けます。本記事は執筆時点の情報を整理したものです。実際の判断にあたっては、ジェトロや税関の最新の発表を必ず確認してください。

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