フェイスマスクOEMとは?小ロットの費用相場と素材選び・メーカー選定の注意点を解説

自分のブランドでシートマスクを作りたい。サロンの物販用に、ノベルティに、あるいはご当地土産として。フェイスマスクは幅広い場面で選ばれる商材です。
使い方が簡単で、化粧水や美容液の代わりにもなり、特別な手入れの時間としても使える。この扱いやすさが、初めて化粧品を作る人にこのカテゴリが選ばれる理由になっています。
ただ、シートの素材、含ませる美容液、そしてパッケージという3つの掛け合わせで仕上がりも費用も大きく変わります。この記事では、素材の選び方から最小ロットと費用の相場、法律面の分岐、メーカーの選び方までを順番に整理しました。
| 確認したいポイント | 結論 | 詳細 |
|---|---|---|
| フェイスマスクOEMとは? | 製造を専門工場に委託する仕組み | シート素材、美容液、パッケージを組み合わせてオリジナル商品を作れる。 |
| 最小ロットはどのくらい? | 100個から数千枚まで会社ごとに幅がある | 小ロット対応を掲げる会社なら100〜500個から。設備を持つ大手ほど下限は上がる。 |
| 費用はどう決まる? | 素材・美容液・包装の組み合わせで決まる | アルミ袋にシールを貼る形なら安く短納期。袋に直接印刷するとコストが上がる。 |
| 販売に許可は必要? | 液を含ませて売るなら許可が必要 | 乾いたシートだけを雑貨として売る形なら、届出や承認は不要になる。 |
この記事でわかること
- フェイスマスクOEMの仕組みと、シート・美容液・包装という3つの構成要素
- 不織布から高機能素材まで、シート素材ごとの特徴と使用感の違い
- 最小ロットの幅と、パッケージの選び方で変わる費用と納期
- 含浸タイプと乾いたシートのみで変わる、必要な許可と表示のルール
- 失敗しないOEMメーカーの選び方と、見積書で確認しておく項目
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フェイスマスクOEMとは?3つの要素の掛け合わせで作る
フェイスマスクのOEMは、シートマスクの製造を設備と技術を持つ専門メーカーに委託する仕組みです。ここでは何を組み合わせて商品ができるのか、市場はどうなっているのか、そして最初に決めるべき分岐を確認していきます。
OEMとODMの違いは任せる範囲にある
OEMはOriginal Equipment Manufacturerの略で、他社ブランドの製品を製造すること、またはその製造業者を指します。化粧品に限らず、食品や雑貨まで幅広い業界で使われる言葉です。
一方のODMはOriginal Design Manufacturerの略で、企画や設計の段階からメーカー側が主導します。処方や素材の方向性を自分で決めたいならOEM、コンセプトづくりから任せたいならODMという整理が実務では通りがよいでしょう。
フェイスマスクの分野では、美容液とシート生地とパッケージを組み合わせることでオリジナル商品を作るという進め方が基本です。企画から製造、薬事対応までをワンストップで支援する会社もあります。
市場規模から見た現在地
調査会社インテージによると、フェイスマスクやシートマスクを含むパックの2023年の市場規模は649億円に達しました。これは乳液の614億円という市場規模を上回る数字です。
つまり、乳液より多く買われているカテゴリだということになります。それだけ日常に浸透しており、需要の裾野が広い分野といえるでしょう。
一方で参入者も多いため、なんとなく良さそうなマスクでは埋もれます。誰のどんな悩みに、どう応える商品なのか。ここを言葉にできるかどうかが売れ行きを左右します。
含浸タイプと乾いたシートという2つの道
ここが最初の、そして最も重要な分岐です。美容液をアルミパウチに充填した製品は化粧品の扱いとなり、許可が必要になります。一方、乾いたシートだけを提供し、手持ちの化粧液に浸して使ってもらうドライタイプなら雑貨として扱えます。
雑貨として扱えるということは、届出や承認の手続きが不要ということです。初めて商品を作る人や、イベントの配布用として短期間で用意したい場合は、この形なら手軽に始められます。
ただし雑貨扱いでは、肌への効果をうたうことはできません。本格的にスキンケア商品として売るなら含浸タイプになります。どちらを選ぶかで、その後の手続きも売り方も変わってきます。
シート素材の選び方
フェイスマスクの使い心地は、シート素材でほぼ決まります。同じ美容液を使っても、生地が違えば密着感も肌当たりもまるで変わるため、ここは丁寧に選びたい部分です。
不織布系|扱いやすく選択肢も豊富
最も広く使われているのが不織布です。コットンやレーヨン、再生繊維など原料の種類が多く、厚みや目付を変えることで使用感を調整できます。
伝統的な和紙の製紙技術を生かし、高い保水力と繊維の強度を両立させた高機能不織布を作るメーカーもあります。素材そのものに背景がある生地を選べば、それ自体が商品の物語になります。
豊富な不織布素材を扱っているかどうかは、メーカーを選ぶうえで重要な確認点です。選択肢が多ければ、コンセプトに近い質感を探せます。
高機能素材|密着感で差をつける
バイオセルロースやハイドロゲルといった素材は、肌への密着性が高く、高価格帯の商品に使われます。とろりと吸い付くような使用感は、不織布では出しにくい体験です。
その分だけ原価は上がるため、価格帯とセットで検討する必要があります。高級路線やスペシャルケアの位置づけで売るなら、素材を語れることが強みになります。
形状とカットの違い
1枚仕立てか、上下が分かれた2枚仕立てか。目元や口元の開口部の形、耳掛けの有無。顔の形に合うかどうかは装着したときの満足度に直結します。
既存の型を使えば費用を抑えられますが、独自の形にすると型代がかかります。初回は既存の型で試し、売れ行きを見てから専用の形を検討するという順番が現実的です。
素材が使用感を決めるという前提
レビューで語られるのは、成分より先に「密着するか」「ずれないか」「乾きが早くないか」といった体験です。素材選びは見た目に現れないぶん軽視されがちですが、リピートを左右する要素になります。
試作の段階で必ず自分の顔に貼り、規定の時間つけたままで過ごしてみてください。作る商品の決め方はAmazon OEMとは?商品選定から仕入れまでのルートを物販未経験者向けに解説も参考になります。
美容液と処方の設計
シートが決まったら、含ませる美容液です。ここで商品の効能と価格帯が決まります。
既存処方かオリジナル処方か
メーカーが持つ既存の処方をベースにすれば、試作の回数を抑えられ費用も期間も圧縮できます。初めて作る場合はこの形から入るのが安全です。
一方で、製造ロット数にかかわらず専用の処方設計に応じる会社もあります。持ち込みの原料を使った処方が可能な場合もあるので、こだわりたい成分があるなら相談してみてください。
何を訴求の軸に置くか
保湿なのか、透明感なのか、引き締めなのか。訴求の軸が定まると、選ぶべき成分も価格帯も自然に決まります。逆に何でも入れようとすると、原価だけが上がって特徴が薄まります。
既存商品のレビューを読み込むと、満たされていない不満が見えてきます。乾きが早い、匂いが気になる、大きさが合わない。その不満こそが、自分の商品が入り込める隙間です。
含浸量とテクスチャー
液の量が少なければ乾きが早く、多すぎれば垂れて使いにくくなります。とろみの強さや香りの有無も、使用感を決める要素です。ここは実際に使って調整するしかありません。
試作は一度で決まらないことが多く、2〜3回のやりとりが一般的です。試作費が有料か無料か、何回まで対応してもらえるかは事前に確認しておきましょう。
最小ロットと費用相場
この分野の最小ロットは、会社によって驚くほど差があります。自分の資金に合う相手を探すことが、そのまま実現可能性を決めます。
最小ロットの幅を知っておく
最低100個からの小ロット生産に対応する会社もあれば、500個からという設定の会社もあります。5,000袋以下の小ロットに専用ラインで対応する会社も存在します。
一方で、大量生産の設備を持つ大手ほど下限は上がります。数万枚の実績を持つ会社に数百個で相談しても、条件が合わないことが多いでしょう。
自分の販売計画に合う下限を持つ会社を探すことが出発点になります。テスト販売から入りたいなら、小ロット対応を明記している会社に絞って問い合わせてください。
パッケージには2つの選択肢がある
ひとつは、アルミ袋にシールを貼るデザインです。シンプルですが、時間がかからずに製造できるという利点があります。少量で早く仕上げたい場合に向いています。
もうひとつは、アルミ袋そのものに印刷する形です。コストはかかりますが、ブランドイメージの確立や他製品との差別化に効果的とされています。
初回はシールで走り、売れ行きを見てから印刷に切り替えるという進め方も可能です。デザイン費が無料の会社や、ラベル印刷に対応する会社もあるので、条件を比べてみてください。
費用を構成する項目
費用は、シート素材費、美容液の原料費、充填と包装の加工費、パッケージの資材費、そして送料の合算で決まります。素材と処方のこだわりが強いほど上がっていきます。
見落とされやすいのが試作や処方開発にかかる工数です。この手間は生産個数に比例しないため、少量生産では1枚あたりの負担が重くのしかかります。
見積もりを比べるときは、単価だけでなく初期費用に何が含まれるかまで揃えてください。利益を圧迫する見えにくいコストはAmazonのOEMで「儲からない」は本当?失敗しないための5つの秘訣と成功事例でも整理しています。
販売価格と利益の組み立て方
原価が固まったら売価を決めます。ECで売るなら、原価に加えて手数料、配送料、広告費まで見込む必要があります。原価の3倍から4倍を売価の目安に置くのが一般的な考え方です。
フェイスマスクは1枚単位の単価が低くなりやすい商材です。複数枚のセットや定期購入の形を最初から想定しておくと、送料負けを避けやすくなります。
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問い合わせから販売開始までの流れ
依頼は思いつきで連絡しても前に進みません。何をどの順で決めるのかを把握しておくと、やりとりの往復も期間も圧縮できます。
STEP1:コンセプトと区分を決める
最初にやるのは、誰に向けた、どんな悩みに応えるマスクなのかを一文で言えるようにすることです。あわせて、含浸タイプで作るのか、乾いたシートを雑貨として売るのかも決めます。
この区分によって必要な手続きも売り方も変わるため、リサーチの段階で競合がどちらの形で出しているかを確認しておくと判断しやすくなります。
STEP2:メーカーへの問い合わせと見積もり
方向性が固まったら複数社に問い合わせます。伝えるべきは希望する素材、想定数量、価格帯、入れたい成分、そして納品時期です。見積もりは最低でも3社から取り、条件を揃えて比較してください。
返信の速さや説明の丁寧さも、その後の進行を占う材料になります。1社だけでは相場観が持てないので、必ず並べて比べましょう。
STEP3:試作とシートの確認
試作品が届いたら、実際に顔に貼って確かめます。密着感、ずれにくさ、乾きの早さ、剥がしたあとの肌の状態。ここは写真や資料では判断できない部分です。
可能ならターゲットに近い人に何人か試してもらうと、自分では気づかない指摘が出てきます。顔の大きさによって装着感は変わるためです。
STEP4:パッケージと表示物の確定
中身が決まったら包装と表示内容を確定させます。全成分表示や製造販売元の記載など、区分ごとに定められた項目に漏れがないかを必ず確認してください。刷り直しは費用と納期の両方に響きます。
デザインは自分で外注してもよいですし、メーカーにデザイン部門があるならまとめて依頼する手もあります。
STEP5:本製造と納期の目安
期間の目安として、通常は企画から製品化まで半年程度かかるとされています。一方、小ロットで専用ラインを持つ会社なら最短1か月という対応も可能です。
販売開始日は必ず余裕を持って設定してください。待っている間に販売ページの写真や説明文、広告の準備を進めておけば、納品後すぐ動けます。
押さえておく法律と表示のルール
フェイスマスクは肌に直接触れる商品です。区分によって適用される決まりが変わるので、着手前に確認しておきましょう。
含浸タイプは製造販売業の許可が必要
美容液を含ませた製品は化粧品にあたり、国内で製造した化粧品を販売するには医薬品医療機器等法にもとづく製造販売業の許可が必要です。この許可を持つ者が、品質と安全の責任を負います。
許可の取得には責任者の設置など複数の要件があり、個人が単独でそろえるのは現実的ではありません。そのため、許可を持つOEMメーカーの名義で製造販売してもらい、自分は販売者として関わる形が一般的です。
容器や外箱には、全成分の名称、内容量、製造販売業者の氏名と住所、製造番号などの表示が必要になります。制度の詳細は厚生労働省「化粧品・医薬部外品等ホームページ」で公開されている通知類を確認できます。
乾いたシートのみなら雑貨として扱える
液を含ませず、乾いたシートだけを販売する形なら雑貨の扱いになります。届出や承認の手続きが不要になるため、初期のハードルは大きく下がります。
この形は、イベントの配布用やご当地の土産品として使われています。地域の特徴を生かした化粧液と組み合わせて提案するといった展開もあります。
ただし雑貨として売る以上、肌への効果を表現することはできません。デザインや使うシーンで価値を伝える設計に切り替える必要があります。
使える表現と使えない表現の線引き
化粧品でうたえる効能効果の範囲は定められています。シミが消える、ニキビが治るといった医薬品的な表現は使えません。肌にうるおいを与える、キメを整えるといった範囲に収める必要があります。
販売ページやSNSの投稿も広告とみなされます。判断に迷ったら、メーカーの薬事担当に文言を見てもらうのが確実です。薬事サポートの有無は、メーカー選びの重要な比較軸になります。
失敗しないOEMメーカーの選び方
フェイスマスクのOEMメーカーは、得意な素材も対応できるロットも会社ごとに大きく異なります。4つの視点で比較していきましょう。
得意な素材と製造実績を確認する
まず見るべきは、自分が作りたい素材での実績があるかです。不織布に強い会社と高機能素材を扱える会社では、蓄積も設備も違います。取扱素材の種類の多さも判断材料になります。
商品化の実績数や年間の試作件数を公開している会社もあります。工場を自社で持っているかどうかも、納期と品質の安定に関わる要素です。
最小ロットと試作の条件を比べる
最小ロットは1回の発注で受けてもらえる最低数量です。100個から数千枚まで幅があるため、自分の資金と販売計画に合う下限を持つ会社を選ぶことが前提になります。
試作が有料か無料か、何回まで対応してもらえるかも確認します。処方や素材を何度も調整したいなら、この条件が総額に効いてきます。
薬事サポートがあるかを確認する
表示物のチェックや広告表現の相談に乗ってもらえるかは、実務では大きな差になります。薬事の知識がないまま自己判断を続けるのはリスクが高いからです。
企画から製造、販売、薬事対応までをワンストップで支援する会社なら、初めての人でも進めやすくなります。どこまで伴走してもらえるかを、最初の問い合わせで聞いておきましょう。
パッケージへの対応範囲を見る
デザインを無料で引き受ける会社、ラベルやシルク印刷に対応する会社、パッケージデザインを本業としてきた会社。中身と外身の両方を任せられるかどうかで、進行の手間はかなり変わります。
窓口が一本化されていれば、認識のずれも減ります。自分でデザインを用意するつもりでも、入稿の形式や制約は先に確認しておきましょう。
見積書で確認したい項目
見積書を受け取ったら、単価だけで判断しないでください。初期費用に何が含まれるか、型代や版代は別途か、余った資材の扱いはどうなるか、送料は誰が持つか。この4点を同じ質問で各社にぶつけます。
追加発注時の単価と最短納期も聞いておきましょう。パートナー選びの考え方は物販副業×Amazon OEMで“成果が出る人”はここが違う!3つの思考の罠を解説も参考になります。
つまずきやすい場面と販売の設計
商品ができることと売れることは別の話です。実際に足が止まるのは製造より販売開始後でした。起こりやすい場面と、その先の設計をまとめます。
在庫を抱えて資金が止まる
単価を下げたい一心で初回から大きなロットを発注すると、売れなかったときに資金がすべて在庫に変わります。初回は最小ロットで走り、反応を見てから次に進むのが基本です。
化粧品には使用期限があります。長く寝かせるほど価値が落ちるので、安く作れたことより早く売り切れたかどうかで判断してください。
似た商品に埋もれてしまう
既存処方をそのまま使い、袋も一般的なものにすると、似た商品の列に紛れます。残る差は価格だけになり、体力勝負に持ち込まれます。
差別化は高価な成分でつける必要はありません。素材の質感を絞る、枚数の設計を変える、使うシーンを限定する。既存商品のレビューにある不満が出発点になります。
販路と見せ方、そしてリピート
モールはすでに人が集まっている場所で売れるのが強みですが、手数料と競合の多さを引き受けることになります。サロンでの物販や土産物としての卸という道もあり、対面で試せる場との相性はよい商材です。
フェイスマスクは消耗品なので、本来はリピートが利益の柱になります。枚数違いの展開やまとめ買いの導線を先に設計しておきましょう。長く続く仕組みの作り方はAmazon OEMで資産形成をめざす!初心者向けに“続く仕組み”を作る方法を解説でも扱っています。
季節と使うシーンを設計に織り込む
乾燥が気になる季節に需要が伸びやすい一方、日焼け後のケアや旅行先での使用など、季節を問わない切り口もあります。どの場面で使ってもらうかを決めておくと、販売の打ち出し方が定まります。
発注のタイミングも、売りたい時期から逆算してください。通常は企画から半年ほどかかるため、シーズンに間に合わせるには相当前から動く必要があります。
まとめ|素材・美容液・包装の3点から逆算する
フェイスマスクOEMは、シート素材と美容液とパッケージの組み合わせでオリジナル商品を作る仕組みです。パックの市場は2023年に649億円と乳液を上回る規模になっており、需要の裾野は広い分野といえます。
最小ロットは100個から数千枚まで会社ごとに幅があります。テスト販売から入りたいなら、小ロット対応を明記している会社に絞って問い合わせてください。
そして最初の分岐は、美容液を含ませるかどうかです。含浸タイプは化粧品として許可が必要になり、乾いたシートのみなら雑貨として届出も承認も不要になります。手軽さと訴求力のどちらを取るかという選択です。
まずは作りたいマスクのイメージを言葉にして、素材とパッケージの当たりをつけ、3社に見積もりを依頼するところから動いてみてください。数字が並んだ瞬間に、漠然としていた構想が実行できる計画に変わります。
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